第1章
76

パンパンと肌のぶつかる音と智希の鼻から漏れるいやらしい吐息を耳元で聞きながら、内壁を擦るように突き上げられるその律動に酔った。
たくましい腕に抱きしめられながら、智希の見えないところで有志は涙を流す。
これは、なんの涙なのか。
有志にしかわからない。



「っ…くっ…っ……ごめっ…父さん…もう…限界っ…イって…いい?」

「んっ…んっはっ…んんっあっ…あっ…うん…うんっ」

「父さんもね」

「あっ!あぁっ!」

触られていないのに破裂しそうになっていた有志のソコを掴むと、律動に合わせながら擦っていく。

「あぁっ智っあっ…あぁ…あっあっ…イっイくっ!」

「うん…一緒にイこ」

ラストスパートをかけさらに激しく腰を打ちつけると、奥に当たる良い部分と連動して前のソコも振るえ開放を待った。

「ああっあっんんっ…んっ…イっ…くぅっーーー」

「父さんっ…父さんっ……っ……っーー」

有志は叫び声をあげ、智希は低く唸りながら頂点へ達した。


その後有志は気を失った。



「……父さん」

「………」

満足したのだろうか、スヤスヤと智希の腕の中で眠っている。


なんて、幸せなんだろうか。


眠る有志の唇にキスを落とすと、んっと唸り口をパクパクさせて再び眠る仕草に笑みがこぼれ、幸せそうに肩を抱いた。
小さい頃はよく抱きしめてもらったのを覚えている。
今では自分の腕の中に納まり安心して眠っている。

智希は再び有志にキスを落とすと、起こさないようソロソロと起き上がりベットを出た。

床に散らばっていた自分の下着を身につけ部屋を出るとそのまま脱衣所へ向かう。
タオルを取ってお湯で濡らし少し緩めに絞り、有志の着替えもついでに取り部屋へ戻った。

有志はまだ眠っている。
これは当分起きそうにない。昔から有志は一度眠ると次の日の目覚ましが鳴るまで起きないことはもちろん、知っている。

そっと布団を取り再び有志の裸を見ると、つい先ほどまでの出来事を思い出してしまい体が熱くなった。

我慢しろ。そう自分に言い聞かせて汚れた体を丁寧に拭いていく。

「ごめんな、初めてなのにあんな激しくして」

「…すー…すー…」

小さい声で話しかけたが、リズムよく寝息が聞こえるだけで反応はない。
しかし少し寒いのか、無意識な体は眉を曲げ少し身震いした。
[77/171]
←BACKNEXT→
しおりを挟む
novel





























第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -