「っ、…はぁ…佐倉、も、そろそろ」
「うん」
「だから離して」
「ううん」
まさかこいつ。
口の中にぶちまけてしまいそうになるのを必死に堪え剥がそうとするのだが、完全にロックされているかのように佐倉はびくりともしない。
「お、まえ…出るって」
「うん」
喉奥に智希を感じながら首を振ったりうなずいたりする。
ここまで来たら意地だ。絶対、飲む。
「くっ…」
観念したのか佐倉の頭を掴んでいた智希の腕が若干脱力すると、声を殺したうなり声を上げて絶頂を迎えた。
佐倉の喉奥に勢いよく飛び出ていく。
「……く、はぁ、はっ、はぁ」
「ん、んんっ」
ゴクン、ゴクン、と2回喉を鳴らすと思った以上にすんなりと入っていく濃厚なたんぱく質に佐倉は舌鼓をした。
「全然飲める」
「お前なー」
イった直後特有の浮遊感と脱力感で力が入らない。
俺は後輩になんてことをさせてしまったんだ。
嫌悪感もいつも以上に込み上げてくる。
「さく、」
「次はお尻使えるよう仕込んできますね」
「仕込むってお前…!」
「大丈夫、俺が入れられる方なんで」
ケラケラと笑う佐倉から妖艶さは無くなっていた。
罪悪感は消えてほしい。
これで最後にしたくないから。
佐倉は智希との接点が欲しかった。
部活の後輩だけじゃ、いやだ。
ただの後輩ではなく、特別な後輩に。
だけど佐倉にはわかっていた。
この人は自分を見ていない。
さらにその奥、最愛の人を見ている。
感じ取った智希は佐倉と、そして有志にも罪悪感を強く抱いた。
自分はいったい何をしているんだ。
今までの彼女だけじゃ飽きたらず、自分を思ってくれている部活の後輩にまで。
消えて欲しい。
自分の性欲。
だけど抑え方がわからない。