第1章
27



智希にエロ本も、アダルトビデオもいらない。
有志の顔を思い浮かべただけでソコは反応し、熱は次第に大きくなっていく。
下着の上から包み込むようにまだ小さいソレをやわやわと触ると、目を瞑り有志のことを思い浮かべる。

今日もスーツ姿可愛かったなあ。

今朝は白いシャツに淡いピンクのネクタイをつけて、上下薄いストライプのかかったスーツを着ていた。

童顔だから前髪は下ろすなと上司に言われているみたいだが、一度智希が髪の毛をアップにした有志を見て全然似合わないと言ったため、いつも下ろしている。

そんなところがまた可愛い。

はぁ、と重い息が段々熱くなってきた。
直にソレを触ると膨張し始めていて、ゆっくりと上下に擦る。

肌も白くて、細くて、なにより綺麗で。
どんどん想像の中の有志は服を脱いでいき、頬を染めながら智希のことを見ている。

「…っ…父さん……とっ……さん」

もう少しで妄想の中の智希が妄想の中の有志に触れれる、となった瞬間、階段を登ってくる音が聞こえた。

「智ー上がったー」

「っ……んーすぐ入るー」

「おー」

扉の前まできた足音はその返事を聞くとすぐまた降りていく。
熱くなった息と体を冷ますように、智希はCDを止め部屋を出た。

トントンっとリズムよく降りていきリビングを抜けると、有志はソファに座りテレビを見ていた。
Tシャツに短パンで肩にタオルを巻いている。

智希は普通に通るふりをして、しっかり短パンから伸びた有志の足を見ていた。
また、疼きだす。

やべ、痛くなってきた。

若干前かがみになりながら風呂場へ向かうと、まず有志が使用したタオルに顔を埋める。




「……いい匂い」

少し湿ったタオルをきつく抱きしめて、何度も深く匂いをかいだ。
有志が先に風呂へ入るときは、恒例となっている。

やっと服を全て脱ぎ浴室へ向かうと、キュっと蛇口を回しシャワーを出す。
段々暖かくなっていく水は智希の体には当たっておらず、タイルの床を直撃していた。

「っ……く…」

続き、再開だ。
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