「落ち着いた?」
「…うん、ごめん急に…。それにご飯もあんなにして…」
「気にするな。それよりいきなり頭痛がしたって…泣くほど痛かったんだろ?もしかしたら何か病気かもしれないっ…」
「うん、痛かった」
部屋に運ばれた智希は、すぐベットに寝かされた。
布団をかけ有志もベットに座ると、ゆっくり頭を撫でてやる。
「そっか…でもそんな痛かったんなら本当に明日病院に…」
「大丈夫治ったから」
「…本当か?」
「うん…、父さん」
「ん?」
「今日一緒に寝てもいい?」
「えっ」
「…ダメ?」
布団の中から自分を見つめる息子を、思わず可愛いと思ってしまった。
ガタイは自分よりいいけど、面影は母親に似ているため柔らかい顔をしている。
少し長くなった髪の毛が目にかかりその奥から見える奥二重の目が少し潤んでいるように見えた。
しかも弱った声と寂しそうな表情に、断ることなんか出来ない。
「よし、じゃあ今日は俺もここで寝るよ」
「…ありがとう」
「それにしてもベットでかいな」
「父さんがお前はでかくなるからってダブル買ってくれたんだろ」
「そうだっけ」
少し照れながらもなんだか嬉しい気持ちになりながら、開けてくれた布団の中に入っていく。
「…智、身長何センチになった?」
「んー、昨年は183だった。たぶん伸びてるよ」
「…なんかもう追い越されたとかの問題じゃないな」
「大きくなるよう努力してるからね」
そっと、さりげなく有志の腰に手を回し軽く抱きつく。