花



「今日こそ……、今日こそはーっ!!」


ベルセンパイを我が手にー



心の中でガッツポーズを決めることからフランの1日は始まる


朝食のために、談話室のほうに向かうと、ドアから顔をちょこんと出して首を左右にふり、誰もいないかを確認している金髪



(もー、恥ずかしがりやさんなんですからー)


かくいう自分は既に部屋を出たときから幻術で姿を隠している

対策はばっちりだ
というか、もう1つ理由があるのだが


「おはよーございます、ベルセンパイ(はあと)」

「ひゃああっ!!ふふふフランっ!!なんでっ!?」


顔を真っ赤にしながらどもる姿はホントに可愛い

「もーセンパイったらー、ミーが起こしに行くっていってるじゃないですかー」


「そ、それはカエルがよ、夜這いかけるからだろうがっ///」


「だって、ミーはセンパイ大好きですからー」
しょーがないでしょー?

耳元で囁いてやれば、更に顔は紅くなる


自分よりも10センチ近く高い彼女に寄りかかるようにその体を壁に押しつける

「全く今日もけしからん服装ですー」

「こ、らっ!!」


ショートパンツにボーダーのタンクトップが彼女のモデル体型を引き立てる


ベルフェゴールのお世辞にも大きいとは言えない胸を両手で寄せて谷間を作りそこに埋もれる


「ぱふぱふー」


「フランっ、ちょっ、当たってるって///」

「当ててるんですー」

ミー自慢の大きなおっぱい

っていうかぱふぱふ自体に抵抗しないくらいには動揺しているらしい

(こういうとこうぶだから可愛いんですよねー)


そう、ベルフェゴールは派手な見かけによらず色恋やその手の知識、経験にはめっぽう弱い

それは、幼いころからのヴァリアー幹部の溺愛によるのが主な原因だ

近寄る男はことごとく粉砕してきたらしい
あーめん


今の自分にとっては嬉しくありがたいことこの上ないのだが
まさか女の毒牙にかかるとは思っても見なかったろうに


「センパイ好きですー、大好きですー」


そう言って甘えれば、おずおずと手が腰にまわり、空いた手で頭を撫でられる

ベルセンパイに抱きしめられてる
一歩前進ですかねー
そして、


(興奮してきましたー)

鼻息が荒くなるのを押さえながら、タンクトップの下に手を突っ込み直に刺激する


「ぁんっ!フラン、どこさわって、ひゃあ」

「どこって、センパイの乳首ー」

「いうなっつの!!」

「センパイー、ベットいきま「まだダメっ!!」


真っ赤な顔で睨み付けられても可愛いだけで


「えー、お願い」

「……っ!!///」


可愛く小首をかしげながら目をじっとみつめる

センパイはこのお願いにめっぽう弱い

右手でこねてやるとまたビクッと反応する


目一杯背伸びして、センパイの唇に近づいていく

「…センパイ」


前髪の隙間から見えた紅い瞳は既に潤んで宝石のように輝いている


「ダメ、なんだって…」
「そろそろミー限界なんですー」

「もうちょい…待って」
「待てません」


空いている手で顔をぐっと引き寄せ、唇を噛みつくように貪るぴちゃぴちゃと響く水音に熱はどんどん高まって行く


「ふぁ、ふらん、らめっ」

「みぃは……、みぃはせんぱいがほしいですー」

そっと唇を離すとお互いの唾液でべちゃべちゃになり光っている口許が目にはいるがそれすらもいとおしい


胸から手を離し、そのまま両手を腰に回す


「他の人には絶対あげませんー」


ぎゅっと抱きつく
誰にも渡したくない
同性だとか知らない
だって、

好きになってしまった


見た目は派手だけど、
本当は純情乙女で
強いくせして、
本当は寂しがりで
誰よりも冷酷無慈悲だけど、本当は凄い優しい


ベルセンパイ


「姫ね……、フランは凄い好き……、好き、だけど」

「好き、だけどー?」

「その……、は初めてでどうしていいか……、わかんない」


「……へ?」


「姫のことこんなに好きって言ってくれたのもフランが初めてで……、

好きって思えるのもフランが初めてで……、


その……、ね?」



どうしてこの人はこんなに可愛いんだろう年上とは思えない


「センパイ……、ミーもこんなに好きなのセンパイが初めてですー」

だからこそ他のに取られる前にミーのにしたいんですー


そう呟くと今度はベルセンパイに包まれた
あったかいですー


「心配しなくても姫はフランから離れないし」


背が低いのがもどかしい
センパイをすっぽり包んであげたいのに


どうしようもない感情がふつふつと沸き上がって止まらない

問答無用でベルを彼女の部屋のベッドルームまで連れ込み押し倒す


「…フラン?」

「ミーだって、どうしたらいいか分かんないんですーっ!!

だけど会う度にセンパイのことどんどん好きになって止まんないんですー

だからっ、だからっ!!」

「フラン……、」


「でも、ちゃんとセンパイがいいって言うまで待ちますー」

だから、これくらいは許して下さいー


そういうと二人一緒に布団にもぐり、センパイの胸の中に埋まる


「今日二人とも非番なんですからー」


どうしよう、瞼が重くなってきた
きっとセンパイが隣にいるからだ
すっごく安心する


「フラン眠いの?」

「ん……、」

「姫ももっかい寝るから」

「センパイもいっしょ、に……、」


既に愛しい翡翠の彼女は寝入ってしまった
そっと髪をすいてやると気持ち良さそうに身動ぐ

「ごめんね、フラン」


もうちょっとだから

そしたら、
いっぱい愛してね

姫も目一杯
愛してあげるから







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