兄いかる





ヴァリアーの通信モニターがゆっくりと現れる


「おい、オルゲルト。これもう繋がってんの??」
「はい、もう大丈夫でございます」



モニターに映し出された人物に真っ先に反応したものが二人



「はぁ!?ジル!?」

「……ラジエル!!」



ベルフェゴールはともかく、もう片方、シグマの反応に皆おののいた


唸るように低くドスを効かせてこれ以上ないほどの怨みのこもった視線を投げ掛けている


「ベル、なにそいつ。俺そいつ知らないんだけど」


「んー、新入り??」

「んだよ、はっきりしねーな」


新入りとは言ってみたもののベルフェゴール自身シグマの反応に戸惑っていた


(こいつ、未来でジルとなんかあったな……)


そんな予想を立てつつ、とりあえず、話題を元に戻した


「んで、一体なんの用だよ」


「しし、今度こそお前を殺そうと思って♪」


瞬間、珍しくあからさまに嫌そうな顔をしたベルフェゴール


「今お前に構ってる暇王子ねーんだわ」



シグマやアルファのこともある


それに何より、さっきからフランの様子がおかしい

しきりにシグマとジルを交互にみては、困惑した表情を浮かべている







「ししし、お前の愛しのカエルちゃんが捕まえられてもか♪」






「……はぁ??」


「あのー、ミーここにいますけど」









「はぁ!?!?」


急に慌て始めたラジエル

「じゃあ、お前なんなんだよ!?」







『……ミー違うって言いましたー』



「「「アルファー!?」」」




後ろから現れた思いがけない人物に皆目を見開いた
両手と両足は見事に縄で結ばれている
捕まったことが不本意なのか若干大人しい




「しし、だっせ♪間違えてやんの♪」

「……捕まったんですねー」




「アルファ!!!!!!」


シグマが大声を張り上げた
その翡翠の瞳は不安げに揺れている


それもそうだ、奴が本当に次期作戦隊長ならアルファは部下に当たる



『あっ、にーにー!!』

なんでー!?

と声を上げるアルファ



「なんでじゃない!!ったく、お前は……

あーもー!!とにかく!!早くそいつから離れろ!!」

本気で焦っていて、顔からは完全に血の気が引いている



「んだよ、ベル釣れねーじゃん」



それよりも、今一番引っかかったのは



「「「「「にーにだとー!!」」」」」



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