蛙と兄であう



ボスとあってすぐ、急いで談話室に走った


彼のシャツの色が一部濃くなっていた


(泣かないで下さいー……!!)


あなたはなんにも悪くないんですよー??

なんにも気にしなくていいんですよー??


確かにセンパイは怪我したし、ミーはちょっと泣いちゃいましたけど

それはミーが弱かったからですー


だから……っ!!





「アルファー」

談話室の扉を開くと、自分の間延びした声だけが反響した


「はぁ、はぁ」


違和感を抱きながら、息を整えながらぐるりと一周してみても誰もいない


「あれー??」


ボスが嘘をついたとも思えないし、時間もそれほど経っていない


「どこいったんですか、もー」


天を仰いだその時、



どかーーーん!!!!

頭上で爆発音


「うぉわっ!!」

「っ、へー??」


何かが自分めがけて降ってきた


「っ!!ちょっ、どけ!!」
「無茶言うなー!!」



「「ギャーーーー!!!!」」



そのまま二人とも床にもつれ込んでしまった


「……痛っ、」

「重いんですー、早くどけー」

お前よりもミーのが重症なんですけどー


「あー、わりぃ」


徐々に煙が晴れて人の全貌が明らかになってきた

すると目の前には、金髪の髪で片目を前髪で隠した翡翠の瞳をもつ男だった


どこかでみたことがあるような顔をしている


「ぶぉい、どうしたぁ゛!!!」

「フランっ!!」

「ちょっとベルちゃんっ、あんまり動かないで頂戴な」


考える暇もなく、幹部が乗り込んでくる


「ベルセンパイ!!」

その中に彼がいることに安心する


(無事でホントによかったですー)


そして一同目を見張った
溢れだす殺気


「っ!!てめぇフランに何やってやがる!!!!」

「はー??」
「は??」


男とお互いに顔を見合わす
案外整った顔をしている

そして気付いた


「ミー押し倒されてるー!!」
「俺押し倒してるー!!」


すぐそこまでベルセンパイとスクアーロ作戦隊長が接近してきていて

男はミーの上から素早く退くと一目散に逃げ回り始めた


「ギャーーーー!!誤解だーー!!」

「てめぇ!!待ちやがれ!!」

「なら、追いかけるのをやめろーー!!」

「ちょこまかとぉ゛!!」


ベルセンパイのナイフと隊長の剣を凄い勢いで避けている


「ストップ!!いや、ガチでストップ!!お願い聞いて!!」


「問答無用っ!!!!」

「いーやー!!」


ドスっ、ドスっ、


「いってぇ!!ちょっ、ナイフ刺すなし!!」


そこにはフラン同様、ナイフが背中に刺さるも平然としている男の姿


「てめぇ、術士かよ」

「残念ながら」

「いや、残念なのかよ」

「頼む、話を聞いてくれ」

「随分話逸らしたな」
「俺はだな実は、」

「いや、お前殺す。これ決定事項♪」


「ナイフちらつかせないでー!!」


「……なんでしょうねー、このコントみたいな会話」

「ところで、フランちゃん大丈夫??なんもされてない??」

サングラスの奥で心配してくれているのがわかる
「あー、はい。ほとんど不慮の事故なんでー」

「そう、ならよかったわ。にしてもいつ終わるかしらね」


「いや、全くよく逃げてる俺。頑張れ、俺。負けるな、俺」


…………何故か隣に男がいる


「「はぁぁあ!?!?!?」」

嘘っ、ミーが幻術に気が付かなかったなんて

すると、ベルセンパイたちも気付いたようで


「そっちが本体かよ!!」 「なにぃ゛!!」


瞬間、今まで二人から逃げていた方が消えた


「黙れカス共」

「クソボス……いつから」

「ガキ、どっから浸入しやがった」




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