少女したくする




「嵐属性だとぉ゛!!!!」


『ですー!!』


強いんですからねー、とにこやかに笑うアルファ と対象的に固まる三人


いち早く解凍したスクアーロが続ける

「とにかくだぁ!!お前がどこまで使えるか実戦形式で調べる。

相手は……そうだな、同じ嵐属性のベルでいいだろぉ゛」


「げっ、まじ……」
『げー、お化けとですかー』


「今から準備ができしだい、地下訓練場集合だぁ!!」


『「へーい』」





スクアーロの背中を見送りながら隠れた目でアルファを見つめる


彼女は確かに嵐属性だといった


自分と同じ属性というだけで淡い期待が灯る心と

そんなはずがないという心がせめぎ合う


はぁ、と息を吐いて片手で頭をくしゃくしゃとかく


「フラン、子ガエルの面倒みててやれ


……おい、フラン!!」


もう一度呼ぶと弾かれたように顔を向ける


「……はいー」


『行きましょー、ママン』

「わっ ちょっ 」


体をひねって顔だけこちらに向けているフラン


だから……そんな泣きそうな顔すんなっつの


今すぐ抱きしめたい衝動にかられるが理性で押さえ込む


大丈夫


そう口パクで伝えるとほっとしたような表情を浮かべる彼女に安心する


さて、こちらも準備しなくては


相手は未知数なのだ


だが、仮にもフランの娘だ

実力者であることは確かだし、傷つけたくなくて攻撃を躊躇ったら劣勢になるのは目に見えている

本日二度目の溜め息を吐き出した






センパイと別れた後、とりあえず武器庫の前までアルファを連れてきた


「中にはいろいろありますからー、適当に使っていいですよー」


『ありがとう、ママン』

そして気づく

いつもは表情豊かで常に笑みを浮かべている顔が真剣だということに


その横顔はどこかでみたことがあるような気がした

彼女が嵐属性だと知ったとき

この子の父親だという愛しい人の双子の兄、ラジエルとの子供なのだと


改めて思い知らされた


あんなに愛してもらったのに
しっかりと確かめあったのに


いつか来るのかもしれない未来を予想して泣きそうになる


それにベルセンパイと戦うなんて


多分アルファも実力者だろう

彼が負けるとは思わないが苦しい戦いになるはずだ

さっきの目を見ればすぐにわかる

本気で彼に挑むのだと暗に告げていた


(二人とも怪我しないでくださいー)


『できました、オッケーですー』


現れたのは、銃をもち、長いウェーブした髪をツインテールにした戦闘体制に入ったアルファ


『お化けなんかにミーは負けません』


能力テストまであと30分




ネクスト→
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -