少女やらかす



『でっきましたー!!カエル印のオムライスですー!!』


「うそぉー」


そう、アルファはアホの子だが意外にも料理や一般家事は完璧だった


『ママンに厳しく教えられましたからー』


未来のミー グッジョブ

思わず心の中でサムアップする

にしても

「……美味しい」

『愛情詰まってますからー!!』


んーっミー天才!!なんていいながら笑顔で食する少女を見て


なんだか複雑な気持ちになる



少女が自分の娘だとわかった瞬間

思わずベルフェゴールを見たのはほぼ反射だった

その時の彼の顔を自分は一生忘れないだろう





そう、自分そっくりな顔をしている娘を真剣な眼差しで見つめているあの顔を





(センパイもアルファみたいな感じの方が好みなんですかねー……)


正直自分とアルファと世間でどちらが可愛らしいか聞いたら確実に自分は負けるだろう


お世辞にも自分の性格が可愛いとはいえないことは重々自覚している


それでも……


(センパイがミーのこと可愛いっていってくれるから……全部好きっていってくれたから)


自分のことを少しは好きになれたのに…自信を持てたのに…


なのに


顔が同じで性格の可愛い理想のフラン(仮)が目の前に現れたのだ!!


その恐ろしさといったら !!


いくら自分の娘でも譲れないものは譲れない


この子がいつまでこの時代にいるかわからないが

少しの間でも彼の気持ちが自分以外に向けられるなんて考えたくもなかった






きっと、未来でも彼はこの子を甘やかして育てたのだろう


そして、未来の自分それをずっとずっと嫉妬しながら、それを隠しながら生活しているのだ


未来の自分は今の自分を見て、娘に嫉妬なんて馬鹿らしいと思うのだろうか



でも、嫉妬とおんなじくらい


(この子が可愛くて仕方ないんですよねー)


(本能って怖いですー)



『ママン、今パパンのこと考えてたでしょー』


「っ!!!!!!」

にまぁー、口角を三日月にあげニタニタしながら笑うアルファ


瞬時に紅く染まる頬


(ミーってば今何をっ……!!) 無意識の内にベルフェゴールとの未来を描いていた自分に恥ずかしくなる

(いや、確かにその内そーなるつもりですけど、まだぷ、プロポーズとかもまだですけど、っていうかそーならないとミーは困るんですけどー)


『ママンお顔真っ赤ー』

「みっ、見ないでっー」

思わずカエルメットを深くかぶって隠す


『そーいえば、パパンどこですー??ミーまだあってませんけどー、もしかしてまだ出会ってないー??』




「……今日あったヴァリアー幹部に……パパンはいないん、ですかー??」




『うん、ミーまだパパン見てないですー。


雰囲気似てるのはいるんですけどー』



「ア、アルファのパパンって……」


『ラジエルさんいないですー』





目の前が真っ暗になった



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