少女たちあがる




『どーしましょーっ!!』

涙目ですがるような視線を向けられても、こればかりは一同かける言葉もない


『……ママン』


「…時間がたてば戻るんじゃないですかー??」


ちなみに少女がもっていた書類には被験者の世話だけを求めると言うことだけが書かれており


実験内容については被験者及び未来のボンゴレが受け持つとある


つまりこちらからは何も出来ないのだ


(((((明らかに人選ミスだろー……)))))


出そうになる本音をぐっと飲み込む


『なら時間が経つの待ちますー。ママンがいうならホントですー!!』


フランの苦し紛れの一言でさっきの涙目が嘘のように一転し、最初の愛らしく笑顔をみせる少女に思わず毒気を抜かれてしまう


(びっくりするくらいピュアな子ですねー)


アホの子だけど、どこか憎めない


えへへー、とはにかむ笑顔とぽやぽやした雰囲気をまとう彼女


普段素直になれず、毒ばかりはき比較的クールな雰囲気をまとう自分


似ている顔…親子…

どうしても比べてしまう

自己嫌悪に陥りそうな頭を必死に切り替え

気持ちに栓をする

相手は出会って数分とはいえ自分の娘なのだ


「そーいえば名前聞いてませんでしたねー。何て言うんですー??」


『ミーは、あっ』

突然口に手をあて

『未来とミーに関する情報はできる限りミッフィーさんなんですー。ですからアルファって呼んでくださーい!!皆さんもー』


「そこはちゃんと覚えてたんですねー」


偉い偉い、と頭を撫でてやると

『ですー!!』

と自ら頭ををフランに差し出す少女、もといアルファ


なんかキュンと来ましたー。


お互いに顔を見合わせる微笑ましいフラン母娘の様子に一同胸を撫で下ろす


なんとかなりそうだ


「ぶお゛ぉぉい、それじゃあ゛これで解散だ!各自通常任務に戻れえ゛」

捌けていく面々を横目に 愛しい背中を見つけると 走っていってボーダーシャツの裾を引っ張り彼を引き留める


「どーしたカエル??」

「……あとで…センパイの部屋いってもいーですかー??」


いつもより言葉に覇気がなく

まるですがるように問いかけて来る


そんなフランの異変を敏感に感じて


「うしし、待ってるからいつでも来いよ」


少しでも彼女が安心するようにフランの頬に軽く吸い付く


とたんに紅く染まる彼女のなんと可愛らしいことか


もう一度、待ってると耳元で囁きベルフェゴールはその場をあとにした




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