「なぁスク、今日あっちめっちゃうるさくない?」

「そういや騒がしいなぁ」

「どっかが交戦中とかも聞いてないし…」

「一応通り道だしなぁ゛、確認してくかぁ゛」

「りょーかい」


かわいいかわいい子供たちが家で待ってくれてるわけだが、まぁ仕事だし仕方ない

場所に近づいていくにつれてお互いに違和感に気付いた


「血の匂いが濃い…」

「動物が死んでるだけならいいがなぁ゛」


ごく稀にだがセキュリティに引っかかって絶命する動物がたまにいるのだ。

厄介なことになっていないことを願いながらその場を急いだ。









わからない
どっちへ進んでいるのかも、兄がどうなったかも
ただあいつから逃げたくて一心不乱に走り続けた


怖い
大好きな父親から攻撃を受けているようで


「だれ、かぁっ!うわぁーん!」


「誰もこねぇよ」


「ふぇ!?」


なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで……、

なんでいるの!?にーにはっ!?


「お前も死ぬか?」


「うぁ……、あっ、」


大好きな笑顔が今はどうしようもなく恐い


逃げたいのに足が動いてくれない

それでも必死に動こうとした瞬間、何かキラリとしたものが飛んできた気がした






「嫌な予感がする……」

「う゛ぉい、ベル!!」


下を見れば血痕が続いている

飛び散り方からみてもトラップではなく、戦闘によってつけられたもののように見えた


直感のままに跡を追う

しばらくして見えてきた景色

周りが白くなってそれだけがはっきりと眼に飛び込んできた


倒れている真っ赤なこども


そして我が眼を疑った




「シグマっ!!!!!!!!」






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