9話ネタ/甘め
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ピンポン、部屋のベルがなった。さっき天方先生と江ちゃんがコンビニに行ったばかりだけれど、忘れ物でもしたのだろうか。
濡れた髪を拭きながら扉を開けると、そこには凛がいた。

「…凛?」
「よう。…お前だけか?」
「うん、二人ともコンビニ行っちゃった」

そうか、と凛は言うと私を部屋に押し込んでそのまま扉を閉めてしまった。

「どうしたの?」
「お前なぁ、せめて誰か確認してから開けろよ…」
「え?ああ、ごめんなさい」

凛は私にベッドに座らせると、私からタオルを奪い取り、濡れた髪を代わりに乾かしてくれている。コンビニに行かなかったのは私はまだお風呂に入っていたからだった。

「…深雪、少し無防備すぎだ。お風呂上がりで髪濡らしたまま、扉の先の相手も確認しないでそのまま出るとか、お前誘ってるようにしか思えねぇ」
「さそ…っ!?そんなんじゃないよ!」
「分かってる。だからこそ言ってんだよ…。俺だから良かったものを」

凛の指が私の首筋を撫ぜる。そして、そこに唇が落ちた。と思った刹那、凛に押し倒された。

「ちょ、凛…!?」
「わかったか、深雪。こういう事されても文句言えねーんだからな」
「そんなの、凛しかしないよ…」

顔が熱い。凛にこんなことされたのも初めてだし、いつ二人が帰ってくるかも分からないのに、ドキドキしてる。

「…そんな顔、すんじゃねぇよ」

凛の顔が降りてきて、私の唇に触れた。優しい熱。もっと、と凛に強請ると凛は何度か私にキスをして、微笑んだ。

「…これで最後な」

唇が触れた、その瞬間。

ピンポーン
ベルが鳴った。

「やべ、帰ってきたか」
「…凛、もう一回だけ」
「は!?お前、何言って…」

照れながらも、彼は小さく舌打ちをした後、私にキスをしてから私の体を起こしてくれた。
二人でここにいたという状況は、結構やばい状況だとは分かっている。天方先生に怒られるかもしれない…。

「…開けるの、怖いね」
「さっさと開けろ。堂々としてれば問題ねぇよ」
「…うん」

乱れた髪を直してから、恐る恐る扉をあけると、そこにいたのは江ちゃんだけだった。

「ただいまーって、お兄ちゃん!?」
「おかえり、江」

江ちゃんは凛の姿に驚きつつ、もしかしてお邪魔だった?なんて言い出すものだから私が顔を真っ赤にして否定した。すると凛が「そうかもな」なんて言うものだから、さらに顔が熱くなる。
天方先生は用事があって、ホテルの入り口で分かれたそうだ。

「…じゃあ俺はハルのところ行ってくる」
「そっか。明日頑張ってね、凛」
「お兄ちゃん、楽しみにしてるね!」
「ああ、じゃあまた明日な。あ、お前らちゃんと鍵閉めろよ」
「はいはーい」

そう言って凛は部屋を去って行った、と思いきや、ちゃんと扉を閉めろよ、ともう一度念を押してから帰っていった。

「…凛、何しにきたんだろ」
「え?深雪ちゃんに会いに来たんじゃないの?」
「…そうなのかなぁ」

そんなことを話しながら、江ちゃんと一緒にアイスを食べてその日は楽しい夜を過ごした。



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締めが雑ですね(笑)

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