永遠 | ナノ
それが武士―・・・
はらり、はらりと舞い落ちる雪華・・・・
彼らと初めて出会った日も、舞っていた。
それがすごく綺麗に見えたような・・・
それから私の人生は大きく一転した。
今日もまた、舞い落ちる――
此処は新選組の屯所。
普通新選組に、女は居てはいけないのだが、訳あり、私は“男”として居る。
日が暮れ、もう外は薄暗くなってきた。
今日は極秘任務があった。
重大な任務らしく、一番組、三番組、十番組の幹部と、数十名の隊士が出動する事に。
私はいつも通り、屯所の中で皆の帰りを待っていた。
先日激戦の中、重症を負った三番組組長の『斎藤一』が、南蛮の特効薬“変若水”を使い、“羅刹”になってしまった。
変若水を使った者は、もはや人ではない、まがいものになってしまう。
そして、一番組組長の『沖田総司』はその二週間ほど前に、変若水を使い羅刹になっている。
(なんだか今日は嫌な感じがする・・・・・)
心の中のもやもやが、どうしてもなくならない。
先ほど、そのことを八番組組長の『藤堂平助』に打ち明けたのだが、
「大丈夫だって!すぐに帰ってくるって」
と笑って言ってくれた。
しかし、何だがその様子も変。
何回も言っても、大丈夫、としか言わない。
平助くんの笑顔は、果たして本物なのか・・・
だけども、私には無事を祈るコトしか出来なかった―――
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