喜楽 | ナノ
絶対無理!!!
因:「絶対無理ィィィィィ!!!」
荻:「洋、我儘言うな」
因:「嫌なもんは嫌だ!!!」
何故因幡が嫌がっているのは訳が有る。
それは、遡ること十分前。
荻は志村宅に訪れた。
理由は依頼を持ってきたのだ。
その依頼内容とは、ある夫婦の妻からの依頼だった。
妻は夫が浮気をしているのではないかという事だった。
その依頼は万事屋に来たのだった。
別に依頼内容が嫌な訳では無い。
その荻が持ってきたモノが因幡は嫌なのだ。
荻:「洋」
因:「ヤダ!!」
新:「どうしてそんなに嫌がるんですか?」
新八が一番疑問に思った事を言った。
因:「それ髪染めてるから」
なるほど、と新八は思ったが直ぐに何故、という疑問が浮かんだ。
新:「染めてると嫌なんですか?」
因:「嫌も何も、キューティクルは母だ!!偉大なんだ!!髪を染めるという事は母に泥を塗るのと一緒なんだ!!!」
納得していいのか!!!?
これは納得していいのか!!!?
誰か教えてくれ!!!!
荻:「洋、あんまり迷惑を掛けるな」
荻はグイッと因幡の腕を掴んだ。
因:「いぃぃやぁぁぁぁだぁぁぁぁ!!!」
ブンブンと腕を一生懸命振るが荻には全く効かない。
鉄人ですから。
新:「お、荻さん!嫌がる人にそんな無理矢理…そんなやり方じゃ無くてもまだ沢山ありますよ!」
荻:「……」
一先ず荻は因幡の腕を離した。
銀:「新八ぃ他にどんなやり方が有るって言うんだ?」
神:「そうアル」
新:「ありますよォォって何、人の家で飯食ってんだァァァァ!!!」
銀:「しょーがねーだろ。家にはもう乾パンと金平糖と水ぐらいしかねェんだから」
圭:「地震対策には持って来いだよ!!」
もぐもぐと口を動かす銀時。
その隣で酢昆布をポリポリと食べまくる神楽。
新:「つか何で髪の毛でいっちゃたんですか?他にも尾行とかあるのに…」
銀:「俺もそれは考えたんだけどな」
神:「銀ちゃんが面倒だから洋に頼むって言ってたネ」
新:「めんどくさがんなよ!!だから仕事が増えねェんだよ!!」
銀:「いざという時頑張るさ」
新:「お前のいざという時は一生に一度だよ」
いい加減
銀:「尾行は時間が掛かるから髪の毛にして因幡に任した!!」
新:「ホント仕事しろよ!!」
荻:「そう言う訳だ」
因:「どーいう訳だ!!」
因幡は優太に抱きつき荻を睨んだ。
優太はヨシヨシと因幡の頭を撫でた。
優:「あんまり先生をいじめると二階級特進させちゃいますよ」
荻:「黙れ悪徳助手」
何か二人から邪悪なオーラが出てきた。
荻:「はぁ…仕方ない」
因:「お、諦めたか」
因幡は優太から離れるとニヤリと笑った。
荻:「お座り!!!」
因幡はストンとその場に座った。
新:「え?」
荻:「はい あ―――ん」
因:「あがががががッ」
圭:「まさか、また見る事になるなんて…」
優:「圭くん、また口直しされるね」
圭:「…!!」
優:「あ、ほら終わったみたいだよ」
圭はさっと自分の頭を触った。
因:「う――気ぼぢ悪いぃぃぃ」
荻:「よし、依頼は完了だ」
因:「圭ぃぃぃぃぃ!!」
圭:「ゲッ!!」
因:「口直し――――!!!!」
圭:「あだぁ―――――!!!」
僕も気をつけよう。そう心に誓った新八だった。
完。
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