喜楽 | ナノ
入れかわったら…
「ふぁぁぁ…ヒマだなぁ」
胡鶴は欠伸をし何回かゴロゴロと転がった
すると突然、胡鶴の父親、鶴之進が部屋に入ってきた
「何だよ!!うるせぇぞクソ親父!!」
胡鶴は勢いよく起き上がり父親を怒鳴った
「いいじゃん別に、今ヒマでしょ?ヒマだよね??だってさっきヒマって言ったもんね???」
「何で聞いてんだよ!!!!?」
「ただの通りすがりの藩主です☆
だから聞いてない。勘だYO」
親指をグッと立て何か誇らしげに言った藩主だった
「何だよ!!通りすがりって!!嘘つくなクソ親父!!」
「クソは止めなさい。まったく誰に似たんだか…」
などと、ブツブツ言い始めた藩主
こんな藩主いねぇぞ、と思う胡鶴
「んで、何なの??」
胡鶴は胡坐をかきめんどくさそうに聞いた
どうでもいい事をいつも言うからである
胡鶴はどうでもいい事だったら殴ろうと心に誓った
「あ、実はね…テストしよっか」
「おぉうら!このクソ親父!!!!!!」
胡鶴は父親に殴りかかった
「(はい来た!どーでもいい事ぉゼッてぇ殴ってやる!!心に誓ったからな!!
心に誓ったらぜってぇ破っちゃいけないからな!!)」
まぁ、何とも長い心の声は置いておき、胡鶴は殴りかかった
が、そこには錆がいた
札を持った。
言わずとも、胡鶴は錆とぶつかってしまった
シュゥ〜…と何か痛々しい音が二人から出ている
鶴之進はあらあらと言ってツンツンと胡鶴をつついた
「おーい…息子やーい…もぉ一体誰に似たんだか」
やれやれと鶴之進は言ってフゥとため息を吐いた
すると突然むくりと胡鶴が起き上った
「あ、やっと起きた。もぉー人が喋ってるときは寝ちゃダメって言ってるでしょ」
すると胡鶴は何故か札を取り出してサッと札を見せた
[すみません、以後気をつけます]
「あらら??」
そしてもう一人錆が起き上った
「いってェーー!!最悪!!いきなり出てくんなよ!!」
あの錆がベラベラと喋っていた
「大変なことになっちゃった」
そして二人は目が合った
[あ]
「あ」
しばらくの沈黙が流れた
「えーーーーーー!!何で俺が目の前にいんだ!!」
[ドッペルゲンガーですかね…]
「どしたの鶴ちゃん!?」
「何だ?騒々しいぞ」
藍と苑兎が悲鳴?を聞いてやってきた
目の前にうつったのは
札を持った胡鶴と叫んでいる錆の姿と…お茶をすすっている藩主がいた
「「 は?? 」」
〜チリオからの説明〜
あらら大変なことになりましたね
テストだったのに何だか違う方向に行っちゃってますねぇ
まぁそろそろ説明いたしましょう
簡単に言いますと
胡鶴=錆
錆=胡鶴
分かるかい??
まぁザット言いますと
胡鶴の姿なのに錆の性格で
錆の姿なのに胡鶴の性格ですね、はい。
でわでわ本編へいってみましょぉ〜
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「なるほど…まぁ大体わかった」
「かわいそうに鶴ちゃん」
藍は錆の頭を撫でて言った
「大変だねぇ…じゃ、テストやろっか」
「クソ親父!!てめェ話聞いてんのか!!?状況を読め!!状況を!!」
錆の姿の胡鶴が怒鳴った
何か色んな意味で怖さを感じる
「でも何か気味が悪いねぇ…こんな大人しい胡鶴あり得ないもん」
言われてみれば、と顔をする藍と苑兎
喋り過ぎな錆、喋らない胡鶴
これはこれで気味が悪い……
「あ、でも声は一緒だね」
「「あぁ確かに」」
何だか盛り上がってる三人を見て錆の姿の胡鶴はため息を吐いた…「じゃ、気を取り直してぇ〜テストしよぉー」
「死ね、さっさと死んでしまえ、悶え苦しみながら死ね…」
ブツブツと何か怖い事を言っている錆の姿の胡鶴は置いておきテストは始まった
テストをするのは胡鶴と錆で一般常識のものが問題だ
「じゃ、いっくよー♪」
テンションが上がり過ぎな鶴之進は子供のようだった
「スタート!!」
カリカリと二人が書く音が聞こえた
「よしっ。じゃあ点数言うぞ」
苑兎はそう言って紙を見た
「胡鶴、あ、錆のことだぞ。三十問中、二十八問」
「おーやっぱり錆はすごいね」
鶴之進はうんうんと言って錆を褒めた
それに錆は少し照れた
「(違和感あるな…)じゃ、次、錆お前だぞ胡鶴」
「へいへい」
「三十問中…五問……って…おいおい…」
「うーん…やっぱり入れ替わっても中身は変わんないネ」
何だか残念そうに言う鶴之進…
「は?」
と、胡鶴
「今なんて…?」
「ん?だから入れ替わっても一緒だなぁって」
「ふぅざぁけるぅなぁーーーーーーー!!!」
怒鳴る胡鶴に鶴之進は…
「え〜だって胡鶴おバカだからぁ錆と入れ替わったら賢くなるかなぁって☆」
何か輝いて見える鶴之進だった
「ふざけんな!!今すぐ戻せ!!」
「えーー…いいじゃないそのままでもおもしろいし…」
「お前今おもしろいっつったな!!な!!」
こうゆうことには地獄耳な胡鶴に鶴之進は…「おぉ、今日は耳が冴えてるね」
などということを発した
それに怒りがピークに達したのか…胡鶴はまたまた父親に殴りかかろうと
立ち上がった
が、テスト用紙が偶然に、胡鶴の足の下になり
そのまま胡鶴は……
錆に…
ぶつかった…………
〜チリオメモ〜
これをお約束と言います、はい。
****************
またまたシュウ〜と痛々しい音がし、むくり、と二人は起き上がった
二人は顔を見合わし…
「お!お!戻ったぁーーーー!!」
[戻りましたね、フゥ…]
胡鶴は元に戻ったことを喜んだ。とても
「あらら戻っちゃった?残念…」
シュンとする鶴之進
「ざまぁみろクソ親父」
べー、と舌をだし胡鶴はフゥと息をついた
「あ、そうだ。忘れるとこだった点数が悪かったから
これから苑兎に勉強を教えてもらってね」
「え???」
「じゃっ、よろしく〜」
ひらひらと手を振る鶴之進
苑兎は「さてと」と言い胡鶴を見た
「じゃ、今からビシバシやるぞ」
キラリと苑兎のメガネが光った…
「いーやーだーーーーー!!!!!!!!!!」
そんな声は聞いてもくれず、苑兎は涙目な胡鶴の襟を引きずっていった…
「あらら…鶴ちゃん…可哀想に」
[当然のことですよ]
「ま、点数が上がったら唐辛子でもあげようかな」
などと、人事のように言う三人だった…人事だけどね……
完。
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