消滅 | ナノ
幽霊のような男の方


目の前には目をキラキラさせながら辺りを見回している少女と謎の黒い、手みたいな物質と遊んでいる女性
さっき会話していた…といっても風魔が喋るわけはないので筆談だが…風魔が逃げたのはこの女性達…いや、正確には少女のせいだろうと思う

「弓さん!今宵闇の羽の方が今ここに居ましたよね!?」
「……居たね」
「どちらに行かれましたか分かりますか!!?」
「あっち」

流石に風魔が可哀想なので反対方向を示す

「そうですかー!ありがとうございます!ズバーッと向かっちゃいますよ☆あ、ところでなんですけど…」
「……背中に居る"モノ"…なぁに?」
「……え?」

二人は、自分を凝視しているのかと思えば、後ろを凝視している

「…え!?…鶴姫…冗談だよね…?」
「…いえ、お市ちゃんの言ってることは本当です…」

妙に真剣な面持ちで言う鶴姫に寒気がする
息をのみ、振り返ると……

「どうも、こんにちは」
「ギャァー!?…て、どちら様!?」
「私、天海と申します。以後お見知りおきを」

ゆらゆらした男の人が居ました
長い白髪が体とともにゆらゆら揺れてます
顔が病人かと思えるほど真っ白です
怖いです。気持ち悪いです、正直
そう心の中で言ってから返事する

「あ、どうも…」
「それでは、私はこの先に用があるので失礼しますね。ククク…」


幽霊のような男の方
(それにしてもあの方、見たことあるような気がするのは…気のせいでしょうか?)


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