消滅 | ナノ
気付かない貴方が悪い


「ねえ、今さ。どんな気分?」

清清しい顔で聞いた女は自身の武器を杖代わりにやっと立っている男に向かって問う

「…最、悪…だ…」
「そっかぁ。それはよかったね」

何が良かったのかは分からない
女からは笑みが口元に出ているものの、目は笑ってはいない

「殺るなら…さっさと殺り…やが…れ」
「…潔いね」

そう言い女が足を一歩踏み出した時、勢いの良い声とともに碇槍が振るわれる
一瞬目を見開いて応戦する
男と女の差があるとはいえ、体力が落ちてきている男と万全な女、差は見えていた
女が押し切り男は後ずさる

「……何で、変わりやがった、弓…」
「…妾の本質はこれだよ。今まで全く気付かなかったんでしょ?」

そう言い、笑みを消す
歩んで行き、鎌を取り出す


気付かなかった貴方が悪いんだよ
(妾はずっと、貴方が大嫌いだったよ)
(さよなら、元親)


▼アニキ好きな方、申し訳ありませんでした


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