三寒四温。4月なのに今日は寒いから、チェックのスカートから伸びる彼女の足は上から下まで少し肌色の透ける黒色。タイツ。ちょっと前までは暖かかったからワンポイントの付いた膝丈のハイソックスを履いていた。久々にお目にかかるその足を見てたら、小さい手で思いっ切りほっぺたを伸ばされた。いたっ。
「痛いです」
「じろじろ見ないで」
「そんなに見てないですよ」
「腰かがめて見てたよ」
折り込んであったスカートのベルト部分を元に戻したから、膝までチェックに隠れてしまった。あーあ、せっかくのタイツが。
「スカート、折らないんですか?」
「折らない」
「どうして」
「誰かさんの視線がうざいから」
減るもんじゃありませんし、見てるくらいはいいじゃないですか。と返しても睨まれるだけで、スカートの丈はそのままだった。デリカシーが欠けていたかもしれないな。
昔から、いつからか分からないけれどタイツというものが好きだったような気がする。なんでかな。そういえば付き合った女性も、ベージュのタイツのOLさんとか白いタイツのナースさんとかだった。網タイツなんかはいただけない。タイツ越しのすべすべした足に手を滑らすのが好き。なのかな。
「機嫌なおしてくださいよ」
「なにが」
チークなんかしなくても自然にピンクになるほっぺたを突っついても不機嫌な声しか漏れない。
「短い方がいいですよ」
「アレンへんたーいきらーい」
「似合ってるのに」
「……」
あ、折り込み始めた。単純だなあ。ほっぺた赤い。膝から上の足とタイツが見えてきた。
「うん、可愛い」
自分の膝にぽんぽんと手を置くと大人しく座った。髪を梳くと少しだけ機嫌がなおったみたいで、肩に頭を預けてきた。でも。
「僕の居ないとこでは短いの禁止ですよ」
「…ばーか」
すべすべしたタイツと遊ぶべく太ももに伸びた手をつねられた。まあいっか。こうやってるだけで幸せだな。可愛い。
アレン×タイツ
100418かける