Detective Main

上がる熱、染まる頬

「(あー頭痛い……悪寒がする……)」
「ずいぶんと辛そうに見えますね……。風邪ですか?」
「いえ……大したことではないですよ」
「……。ちょっと失礼します」
「!?(顔が近い……!……でもひんやりとした手が気持ちいい……)」
「やっぱり風邪じゃないですか。熱もあるようですし、今日はもう上がって下さい。マスターには僕が言っておきますから」
「(え、嫌だ!せっかく久しぶりに安室さんと同じシフトなのに!)あと少しで終わりですし、こ、これくらい大丈夫です……!」
「無理は禁物です。今日無理して後に長引いたら梓さんにも迷惑になっちゃいますよ。わかったら、エプロン外して」
「……わかりました……」
「そんな顔しないで下さい……怒ってるわけじゃないですから」
「わかってます。……ただ、安室さんと一緒のシフトだったのが久しぶりだったから閉店までいられないのが残念だな、って思って……」
「そんな心配しなくても、終わったらお見舞いに行きますよ」
「え……?」
「飲み物やフルーツなど買っていきますから、それまで薬を飲んで大人しく家で横になってて下さい」
「え、いや、そんな、わざわざ……!(だってそれって看病って意味だよね!?嬉しいけど恥ずかしい!ホントに熱上がる!)」
「僕がいればすぐに治りますよ。ほら、熱が上がる前に帰って下さい。それとも……別の意味でもう上がっちゃいましたか?」
「っ!か、帰ります!マスターに伝言、お願いしますっ(今から気が気じゃない!)」


2015/11/02〜2015/11/28
2015/11/02

back
- ナノ -