ss
「紅茶淹れたので、良かったらどうぞ」
「ああ、ありがとう」
「…………」
「…………」

久々の休日。本当は槙島さんと他愛ない会話や身のある議論を交わしたいところだけど読書に集中していて話しかけにくい。……仕方ない、我慢して雑誌でも読もう。タブレットを開いて話題になっているタイトルを適当にクリックする。

一時間後

「……ふぁ、(眠くなってきたな……)」
「つまらないかい?」
「あ、いや、そういうわけじゃ……!その、ごめんなさい」
「いや、謝らなきゃいけないのは僕の方だ」
「え?」
「これは僕のエゴなんだけどね……君がそばにいると安心するんだ。なぜだろうね。それは自分でもわからない。おかしな話だ」
「えっと、それは、その、槙島さんにそう思ってもらえて私としても嬉しい、です」
「……もうしばらく付き合ってくれるかい?」
「私で良ければ、ぜひ」


お題:「君のそばは安心する」
2018/03/05 (Mon) 00:04
- ナノ -