それは何の前触れもなく起こった。
気が付けばあれよあれよという間に押し倒されていたからだ。一体全体どうしてこうなった状態である。
そのまま、低体温の彼のそれが私の唇に押し当てられる。しかしどこか微かに温もりがあってそれが何だか気持ちいい。突然のそれに驚きはしたものの、突き放すこともなく、ただ彼を受け入れる。
しかしどうしたものか。欲など滅多に持ち合わせない彼がこんなことをするなんて。
「……これで終わり?」
無意識にそんなことを口にしていた。物足りないと感じている自分がいたとは驚きである。
「それは僕を煽っているのか?」
「どうかしら。そういう風に見えた?」
「君は気付いてないだろうが、君は今とても挑発的な表情をしている」
それを言うなら聖護もなんだけどな。それはまあ、言わないでおこう。
「この先がお望みなら応えてあげるのもやぶさかではない」
絡められた指先にやんわりと力が入る。
「んー、でも今はそういう気分じゃないかな」
「ほう」
どうせなら――
「もう一回キスして欲しい、かな。今度はもっと甘いの」
「……それはどうかな」
そう言った後の聖護の表情が一番挑発的だな。そんなことをぼんやりと思いながら金色の瞳にのまれて行った。
お題:槙島が夢主を押し倒して唇を奪うと「これで終わり?」と挑発的に微笑む夢主
気が付けばあれよあれよという間に押し倒されていたからだ。一体全体どうしてこうなった状態である。
そのまま、低体温の彼のそれが私の唇に押し当てられる。しかしどこか微かに温もりがあってそれが何だか気持ちいい。突然のそれに驚きはしたものの、突き放すこともなく、ただ彼を受け入れる。
しかしどうしたものか。欲など滅多に持ち合わせない彼がこんなことをするなんて。
「……これで終わり?」
無意識にそんなことを口にしていた。物足りないと感じている自分がいたとは驚きである。
「それは僕を煽っているのか?」
「どうかしら。そういう風に見えた?」
「君は気付いてないだろうが、君は今とても挑発的な表情をしている」
それを言うなら聖護もなんだけどな。それはまあ、言わないでおこう。
「この先がお望みなら応えてあげるのもやぶさかではない」
絡められた指先にやんわりと力が入る。
「んー、でも今はそういう気分じゃないかな」
「ほう」
どうせなら――
「もう一回キスして欲しい、かな。今度はもっと甘いの」
「……それはどうかな」
そう言った後の聖護の表情が一番挑発的だな。そんなことをぼんやりと思いながら金色の瞳にのまれて行った。
お題:槙島が夢主を押し倒して唇を奪うと「これで終わり?」と挑発的に微笑む夢主
2017/12/23 (Sat) 13:07