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何が起こったのか。私の思考は完全に停止してしまって何も考えられない。
ただただ唇を押えながら火照った頬と身体、未だに治まらない高鳴る鼓動音を直に感じていた。
頬を包まれた時の彼の骨張った手の感触が消えず、今もなお触れられている感覚さえする。

「どう、して……」
「どうして?この状況でそれを聞くのか」

肝心な言葉もなければ好意をちらつかせる素振りすらなかったのだからそう思うのは当然だ。それともただの気まぐれ?わからない、わからない。

「それでもわからないってんなら理解出来るまで教えてやるが……どうする?」

そう言って不敵に笑う目の前の猟犬はまるで獲物を捉えたそれと同じだった。


お題:夢主の両頬を包み込むように引き寄せて唇を奪う狡噛に、唇を押さえて「どうして…」と混乱した表情で問いかける夢主
2017/12/23 (Sat) 13:06
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