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「槙島先生、私今とても落ち込んでいます。慰めて下さい」
「本当に落ち込んでいる人間はそんな事言わないと思うんだけどね」
「でも嘘じゃないですよ」
「普段鬱陶しいくらい明るい君がそんな顔をするくらいだからそうなんだろう。それで、どうしたんだい?教師として話くらいは聞いてあげるよ」
「あーっと……話を聞いて欲しいわけじゃなくて、その……」
「歯切れが悪いなんて君らしくもない。それにしおらしいと何だか不気味だな」
「不気味はちょっと酷くないですか先生!……ただしばらく先生のそばにいたいなーって思って……。迷惑、ですか……?」
「今までそうしていたのに今さらな事を言うんだね。それほど落ち込んでいるという事かな。……おいで」
「!」
「君には本を貸そう。そうすれば僕も読書に集中出来るし、君も余計な事を考えずに済む」
「むしろ先生の事でいっぱいにしてくれても――」
「…………」
「ごめんなさい。黙って本読みます」


槙島さんに「おいで」って優しい声で言われたい。
にしても槙島先生のコレジャナイ感…。
2016/11/07 (Mon) 12:58
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