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――三ヶ月後

「せ、先生!大変!!目標を大幅に超えてました!大大大成功ですッ!!」
「本当に成功しちまった……(やばいぞ)」
「って事でー……忘れてないですよね、先生?」
「くっ……わかったよ。すればいいんだろ」
「わあ、どうしよう緊張する〜ッ」
「黙って目を閉じろ」
「はーい」
「…………」

まさかこんな形でこの女に触れる事になるなんてな。
毎日飽きもせずにぼくの家に来てひとしきりどうでもいい事を話しては帰って行く。仕事の邪魔をされていたはずなのに、いつの間にかその時間を心待ちにしている自分がいたなんて事は口が裂けても言ってやらないけどな。

「ん……」
「……希望通りの褒美をくれてやったんだ、何とか言えよ」
「え、あ、その……すごく嬉しいですッ。でもそれ以上にすごく恥ずかしい〜ッ!」
「っ、キスして欲しいって言ったのは君だろッ!あからさまに恥ずかしがった顔しながら手で顔を覆うんじゃあないよ」

今までヘラヘラ笑ってたくせにここに来て女の子って感じの顔しやがって……!そんな顔見せられたらぼくまで照れるだろ!

「……でもそういう先生も少し顔、赤いですよ?」
「うるさいッ!」
2016/10/21 (Fri) 12:55
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