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私の中で、男性が女性に花を贈ると聞いて思い浮かべるのは、真っ赤な薔薇の花束でプロポーズ、という何ともありきたりなものだった。

「何ですか、これ」
「見ての通り花ですよ」
「それは分かります、なぜ私にと理由を聞いてるんです」
「あなたに似合うと思いまして…こういうのは男のためにも素直に受け取って下さい」
「キザ過ぎるんですけど…言っときますけどこんな事で恋に落ちるとかないですからね」
「残念ですねぇ…ちなみにこれはクレオメという花なんですよ」
「別に聞いてないし」
「花言葉は"想像したほど悪くない"」
「…は?何ですか、私の事ですかケンカ売ってるんですか。新手の嫌がらせとしか思えないんですけど」
「まさか」
「もう近づかないで下さい」

「"あなたの容姿に酔う"という意味もあるんですけどね…」

私の中で、男性が女性に花を贈ると聞いて思い浮かべるのは、真っ赤な薔薇の花束でプロポーズ、という何ともありきたりなものだった。
だが私が体験したのは、イケメンによる宣戦布告とも取れる新手の嫌がらせだった。


花言葉知らない主人公に、知ってるけど本当の方は言わない安室さん。花言葉で気付いてくれたらいいな、とか思ってたらいい。主人公が安室さんの事どう思ってるかは謎。
想像したら花屋と安室さんって案外マッチしてる。
2014/07/17 (Thu) 10:49
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