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※『赤井と虫刺され』を先に読んでからの方がわかりやすいかもしれない


朝起きて鏡を見たら首の辺りが赤くなっていた。どうやら寝ている間に蚊に刺されてしまったらしい。

(ちくしょう、また刺された!とりあえずかゆみ止め……!)

よく蚊に刺される私にとってかゆみ止めは夏の必需品だ。ああ、本当に蚊が憎い。これだから夏は嫌いなんだ。
これ以上掻きむしらないようにたっぷりと塗り込んでおこう。



「おはようございます」
「あ、安室さん、おはようございまーす」
「…………」
「……あの、何か?」

挨拶を済ませるも安室さんの視線は私の顔の下辺りにあって、なぜかしかめっ面でそこをじっと見つめていた。……え、何?

「首筋のそれ……少しは隠すなりした方がいいんじゃないですか?」
「ああ〜、これですか?」
「それともわざと僕に見せ付けてるんですか?」
「は?いや、ただの虫刺され――」
「僕の知らないうちにあなたにそのような相手が出来ていたとは……」
「だから――」
「憎い相手がまた増えました」
「人の話聞けよ」

ていうかさっきから一人で何の話をしてるんだこいつは……。


安室さんが一人で勝手に勘違いしてるだけの話。
蚊に刺されない人ほんとに羨ましい…。
2016/07/03 (Sun) 12:49
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