∈でーえむえむそうこ∋ 0911 刹覧」感それぞれ 「…へ?」 「ああ、初めましてご主人様…!」 「ごしゅ……なんて?」 「主、この人やばいですよ!」 「あ、こら鯰尾、しーっ」 「いやほんとやばいんですって!…あ、新しい人鍛刀したご褒美くーださい!」 「え、ご褒美……あ、はい」 「わ!今日はみたらし団子かー!やったー!いただきます!」 「うん。…えーと、それで、お兄さんは…」 「亀甲貞宗です。…改めて初めまして、ご主人様」 「ああ、貞宗の。……と言うかご主人様って…」 「僕を使ってくれる人でしょう?だから、ご主人様と」 「えええ…」 「ドン引きですよね!」 「なーまーずーお」 「あいて!…てへへ、怒られた…」 「まあ何て呼ぼうが良いけど。…初めまして、虎落笛千です。宜しくね」 「はい!」 「んー!主、もう1本ください!」 「はいはいもう好きなだけ食えって…」 「主、この本の続きを……ん?」 「おや、初めまして」 「……新しい刀か。初めまして」 「巴。…お前は読むの早いなあ…えーと次の巻は…」 「……」 「はい、レイテ。長いぞー」 「上等だ。…あと、ミッドウェーに関して他の書物はないのか?」 「ミッドウェー?…うーん、なんかあったかな…それにしてもお前は勉強熱心だなあ。楽しい?」 「とても。主に縁あることだ、全て知っておきたい」 「……ぅえ、あ、ああ、そう…」 「うわっ愛が重いなーさすが主ガチ勢」 「鯰尾…」 「おっと失言!鯰尾黙りまーす!なので主、もう1本!」 「全部食えよもう…」 「…それと主、この男の教育係は決めたのか?」 「うん?いや、まだだよ。と言うか俺もさっき会ったばっかり」 「そうか。…なら俺が担当しよう」 「あれ?なんか長谷部さんも自分が担当するーっていきってましたけど」 「そうか。なら俺から話をしておこう。…それで、お前は…」 「亀甲貞宗だよ」 「そうか、亀甲。俺は巴形薙刀だ。…移動するぞ、付いてこい」 「分かったよ。…それじゃあ、またあとで、ご主人様」 「……」 「お、おう」 「…すご、巴さんの眉毛がピクッて揺れてた」 「…鯰尾、あのセット大丈夫だと思う?」 「血で血を洗いそうだよね」 「だ、だよねー…」 * 「主、少し甘えさせてくれ」 「……藪から棒…」 「そうか?……初めて教育係なるものをやってみたが、存外難しかった」 「ああ…巴は岩融に担当して貰ったんだっけ。…岩融のあれはなんというか…あいつにしかできない教育方法だもんな」 「…俺は人に何かを教えることに向いていないらしい」 「まあ向き不向きはあるよ。…で、甘えさせろっていうのは…」 「アズールレーンに居た時、俺が主にやっていたあれをやって欲しい」 「…………」 「俺にさせていた身で、断りはしないな?」 「う、うわあ…脅迫だ…」 「……」 「正座に真顔で見下ろさないで下さい…」 「…俺とて、人の身を得、人並みの感情を持っている。…時折寂しくなる」 「巴…」 「と言うわけでだ。主」 「両手を広げて待たないでもらえませんか…」 「……」 「分かったよ。…確かにあっちにいる時はよくしてもらってたもんな」 「…俺の心臓の音を聞きたいと言われた時は正直殺されるのかと思ったぞ」 「お前の中の俺のイメージって…」 「あちらにいた時の主は、本当に恐ろしかった。いつも殺気立っていたし、目付きも鋭かった」 「…余裕なかったんだよ」 「ああ。その上周りの艦達も傷付き…お前はいつも怒っていた」 「……俺も艦の端くれみたいなものだからな。勝手に同調していたんだよ。それにしてもあそこの環境は劣悪だったけどな」 「…ん、おい、主。違う。俺に抱き付けとは言っていない」 「お前を抱き竦めろと…?」 「そのために俺は座っている。…膝立ちで何とかなるだろう」 「お前…」 「……」 「はー…了解です」 「……ああ、聞こえた」 「死んでないからな。…暑くない?」 「暑いな」 「よっしゃ、じゃあ離れ…」 「暑くて良い。…この体温が丁度良い」 「………」 「加賀の歴史を知れば知るほど主の身体的特徴の理由が分かる。それが面白い」 「…どうせ焼き鳥製造機ですよ」 「…ふ」 「…空母加賀は、凄いだろう」 「ああ」 「一航戦も、南雲機動部隊も、みんながんばったんだ。みんなみんな、凄かったんだ」 「…ああ、そうだな」 「…母さんも、艦娘も、アズールレーンの子達も、全員頑張ってるんだ。だから」 「だからこそ、あの環境が許せなかったのだろう。司令部も、敵対するセイレーンも」 「……重桜の子達はみんな元気かな…ロイヤルも、ユニオンも…」 「元気だろう。…主の立場を犠牲に指揮官の首は挿げ替えたんだ。元気でいてくれなくては困る」 「へへへ…あれは楽しかったなあ…全力で喧嘩売ったし」 「……」 「…巴?」 「疲れただろう。…次は俺の番だ」 「いや別に俺は…まあ、いいか」 「ああ。…大きさ的にはこちらのほうがしっくりくるからな」 「お前…」 「何か?」 「…いーえ。…お前は体温低いよなあ」 「そうだな。……主、今晩は共寝をしても良いだろうか」 「へ?……あー…そう、だな」 「……」 「…いいよ、久しぶりにね。今晩だけな」 「…ありがとう」 「巴のその甘えたは誰に似たんだろうなあ」 「間違いなく主だな」 「えー?」 亀甲が来たよーと言う話だったのに巴さんが全てを持って行った。何故じゃ。狐の仕業じゃ。 ×
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