∈でーえむえむそうこ∋ 0903 剌ャさき者の逆襲 「……えっと、その、な?主…」 「うん」 「多分その…ここ居心地良いからさ…俺ここ結構好きだし…」 「…うん」 「みっちゃんもくりちゃんも、鶴さんもいるし…その…」 「……うん」 「……うっ」 「…何度も出てきて恥ずかしくないんですか?」 「ちくしょー!ごめんって!我ながら恥ずかしいよ!」 「これで何振目だよ太鼓鐘…」 「ううう主のことが滅茶苦茶好きなんだってー!」 「そりゃどうも…」 「主、鍛刀の結果は…あっ貞ちゃん」 「太鼓鐘は俺のこと大好きなんだって」 「そうだよ!大好きだよ!」 「あはは…まあまあ、全然縁がないより良いじゃない!ご飯の準備がそろそろ終わるから、配膳の用意しててもらえる?」 「はーい。…行こう太鼓鐘」 「……別に主のことが好きなのは恥ずかしいことじゃねえし…」 「ああうん、それはもう良いから」 「…正直まだここに来て日は浅いけど短刀の中じゃ一二を争うくらい主のこと好きだぜ?!」 「ちょっとどうしたのお前…落ち着いて…」 「主めっちゃ俺のこと育ててくれるしな!」 「そりゃここまでうちの本丸に鍛刀されてくれるんだし育てなきゃって思うでしょ」 「俺今や短刀ベスト3に入ってるしな!」 「そうだね」 「…主の懐刀にしてくれても良いんだぜ?」 「そこはもう秋田がいるんで」 「…ちぇー…俺ももっと早く鍛刀されてりゃなあ…」 「……」 「……お!味噌汁の良い匂い!主、多分今日の朝収穫した茄子入ってるぜ、茄子!」 「お、茄子の味噌汁かー良いねえ」 「急ごうぜ、主!」 「はいはい」 * 「…ふう…主、お茶どうぞ」 「ん、ありがとう」 「…ふふ、貞ちゃん寝ちゃったんだね」 「…何も俺の膝の上で寝なくても」 「主の近くにいると安心するって言ってたからね。…完全に背中を預けて…安心しきってる」 「……」 「それにしても、貞ちゃんは本当によくここの本丸に来るね」 「ほんとにね。…まあ縁があるんだろうけど」 「縁で言うと、鶴さんもよく来るよね」 「…あれは……あれは、なんで…?」 「いやあ僕にもそれは分からないけど。鶴さんも主のこと好きだもんね」 「謎すぎ…上杉の刀はかすりもしないのに…」 「ああ、謙信くんと小豆くんだっけ?本当にこないよねえ」 「…不思議なもんだよなあ…」 「うん?」 「俺別に伊達にも縁はないのに、こうやって伊達の刀はよく来るし。…あ、あと長曽祢」 「そう言えば長曽祢くんもよく来るね!まあ彼の場合は意地で来てる感じもするけど」 「意地でしょうね」 「ふふふ。…あれもこれも、縁さ。君が結んだ一つ一つの縁」 「……」 「…不思議だよね、本当に」 「……あ、光忠、煎餅取って」 「はいはい。…お茶、おかわりいるかい?」 「うん、お願いします」 「OK。じゃあ新しいの煎れてくるね」 「……それで、起きたなら退いてくれないかな、太鼓鐘」 「…もうちょっと」 「熱くないの?」 「主ぽかぽかするなーとは思った」 「…基本体温が高いんだよ。あんまり引っ付き続けてると汗掻くぞ」 「んーん、もうちょっと!」 「……」 「…主はさ、不思議だって言ってたけど」 「?」 「俺は、結ばれるべくして結ばれた縁だと思うぜ!」 「……」 「だって主は普段はあんまり冴えないけど、戦ってる最中は誰よりも格好良いからな!そして俺はそんな主が大好きだ!」 「…真面目な時は誰でも格好良いものだよ」 「そりゃそうだけど。…でも俺は一等格好良いと思う」 「…あっそう」 「あはは…そこでそう言う返しするのもなーなんというか、こう、主らしいってのか」 「…あんまり褒められると、反応に困る」 「お!そうか!じゃあ今から俺が主の好きなところ一つ一つ言っていこう!」 「やめろ」 「えーとまずなあ、矢を射る瞬間の目だろー、そんで次に索敵中の真剣な面持ち!それから…」 「光忠!光忠ー!こいつ止めて!」 「あ!あとなー外せないのが寝起き1番の挨拶だな!気が緩んでるから笑顔で挨拶してくれる!あの顔俺好きだなあ!」 「なあにー主?」 「おまえほんと…っ光忠…っお母さん!おかーさーん!」 「おやおやガチ困惑じゃないか」 「それと…うーんどれから言おうか?」 「マジで黙って!」 「いーや!覚悟しろよ、主!」 マジで貞ちゃんめっちゃ来るんですよ。 ×
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