にっき

0505 *pkmn剣/カブ





※デフォルト名(マサル)




〈ジムリーダーダブルバトルシャッフルマッチ!接戦相次ぐこの大会もついに決勝戦となりました!対戦カードはカブ・マサルペアとダンデ・キバナペア!先代と今代のチャンピオンがぶつかり合うこの試合、どのような流れになるのでしょうか!〉

「ひゃあーすごいお客さん」

「ふふ…どちらのファンが多いのだろうね?」

「そりゃもちろん、向こうでしょう。カブさんはともかく俺にここまでのファンはいませんよ」

「それはどうかな?オッズを見てみたらぼくたちが勝つ方に賭けている人の方が多かったよ」

「それは勝敗への期待値でしょう。人気じゃない」

「あはは。気休めは必要ないって感じだね。…ああ、いいね。きみのそのドライなところ、ぼくはとても好ましく思うよ」

「そ、そうですか?…えへへ…」

「それにしても…きみと一緒に組めるなんて本当に夢のようだよ、マサルくん」

「そんな!俺の方こそ!カブさんの足を引っ張らないように頑張ります!」

「ぼくの方こそきみの足を引っ張らないようにしないと。…さあ、魅せてやろうね、水と炎の饗宴を」

「あはは!了解です!」

「………」

「………」

「で、なんでそっちそんなに暗いんですか」

「…マサル…」

「触らないでください。…なんですか」

「……オレはキミと組めるかもと思って参加したんだぜ…?」

「組み合わせは抽選だって言ったでしょう」

「けど!キミとオレは最初から同じポットに入れられていてペアを組めないようにされていた!」

「そりゃチャンピオンペアなんて面白くないですし」

「物凄く面白いと思うんだが!?」

「それはダンデさんだけですよ。…大体このシャッフルマッチ、新ジムリーダーの顔見せや興行がメインですから。俺とダンデさんが組んでも売れない」

「そうか!?」

「そうですよ」

「えっ…じゃあもしかしてオレさまがポット2だったのって…」

「まあ、あわよくばダンデさんと組んでくれたら、こう…ね?色々と儲けられると…スポンサーと一緒に…まあはい」

「ウッソだろ…」

「案の定お二人のペアタオルマフラー、馬鹿売れです。やったぜ」

「やったくない!」

「…オレさまマサルとも組みたかったしカブさんとも組みたかった…」

「ははは、ありがとう。ぼくもキバナくんといつか組んでバトルしてみたいよ」

「…まあそう落ち込まず。ちゃんと各々のジムにも収入はありますから」

「お金のことじゃなくてぇ…」

「…ついでですけど、俺とカブさんのタオマフも赤と青のカラーリングが格好良いって売れてるらしいです」

「おや、そうなのかい?…それは嬉しいね」

「へへ、はい!」

「ん゛ーっ!」

「あッ!ダンデが嫉妬から地団駄踏み出した!」

「マサル!今度オレとチャンピオンタオマフ作ろう!」

「嫌です。…さーて、そろそろバトルですよ。手加減する気はさらさらないので宜しくお願いします」

「それは…ッ本望だぜ!…本望だけど…!」

「諦めようぜダンデ…せめてバトルに勝って、マサルに何か言うこと聞いてもらおう」

「…その手があったか…!」

「流石大人汚い」

「汚くて上等だ!オレさま達が勝ったら今まで散々嫌ですで切り捨ててきたあれやこれややってもらうからな!」

「うっわぁ」

「せめて一つにしてあげないかい?」

「んぐう…!カブさんが言うから一つで許す!」

「カブさんだーいすき!」

「おやおや」

「んんん゛ー!」

「ダンデ!唇噛みすぎて血がでてっから!落ち着け!」

「絶対に、勝つ!」





「はあああすっ…ごく楽しかったー!」

「ああ、ぼくもだよ!マサルくんのインテレオンとぼくのマルヤクデは相性がいいね!」

「はい!ここまでのバトルも最高でしたけど、このバトルが一番息ぴったりでしたね!」

「………」

「…ダンデ…」

「すまない…オレが突出しすぎたせいで…」

「いや、そん…あー……そうだな…オマエ怒りに頭支配されてたな…」

「…楽しそうに指示を出しているマサルを見るとなんだかこう…嫉妬心が…」

「……とりあえず、頭は冷めたかよ」

「ああ…迷惑をかけた」

「まあ、オマエがどう動くかは大体分かってたけどよ。流石にカバーしきれなかったわ」

「ありがとうキバナ。オレのペアがキバナで良かった」

「おう」

「…悔しさと同時に自分が恥ずかしいよ」

「まあ…気持ちは分からなくないけどな。でも、良いペアだったなカブさんとマサル」

「ああ…何か策を仕込んでくるだろうとは思っていたがマルヤクデを前面に押し出してインテレオンを補助に回すとは思わなかったぜ…あのマサルが誰かの後ろに回るなんて」

「カブさんだからこそ、なのかもな。…はーめっちゃ悔しいなこれ!マジで!クソー…!」

「…お疲れさまでした。とても楽しいバトルでした」

「対戦ありがとう。やっぱりダンデくんとキバナくんはライバルだけあって息ぴったりだったね」

「…ありがとう、ございました。マサルとカブさんも以心伝心だったな」

「カブさんの好戦的な顔久しぶりに見たぜ」

「え?あ、あはは…そんな顔してたかな?マサルくんの熱にあてられたのかもしれないね」

「……そんなに拗ねないでくださいよ、ダンデさん」

「…拗ねるよ。これが終わったらまたきみとは暫く会えないんだろう?」

「そりゃお互い仕事がありますし」

「オレが勝ったら、オフの日を被せて家でゆっくりしようと頼む気だった」

「へ?…いやそれくらい…普通に言ってもらえばしますけど…」

「え?」

「…ダンデさん、次のオフは」

「日曜の、会議が終わったら火曜まで休みだ」

「…俺は確か…日曜が丸一日休み予定ですね。じゃあその日で良ければ」

「……マサル…!」

「マサルーオレさまには何か譲歩ねえの…?」

「ないですね!キバナさん油断するととんでもないこと頼んできそうだし!」

「えええ…オレさまは…オレさまはマサルのカレーが食いたい…」

「今度タッパー入れて持って行きますよ」

「オレさまの家でエプロンして作って!」

「ええ…ナックル行くならそのままワイルドエリア行きたくなるしな…」

「ついでで良いから!」

「んー…じゃあまあ、そのうち…」

「言ったな?忘れねぇぞその言葉」

「こわいこのひと」

「ははは」

「…カブさん」

「ん?…ああ、大丈夫だよ。忘れてない。ホウエンからお茶が届き次第連絡を入れるから、好きなときにおいで」

「っはい!」

「…一番嬉しそうな笑顔だった」

「いやほんとそれな。クソー…」

「さて…じゃあ俺達は優勝スピーチしないと」

「ああそうだった。…ピッチサイドリポーターが待ちきれなさそうだ」

「行きましょう、カブさん!」

「ああ。…それじゃあ、失礼」

「……はは…まあ、結果としてご褒美を貰えたな」

「オレさまの方はまだぼんやりしてっからあとで日を詰めねえと…油断するとマサルの奴そうでしたっけ?とかとぼけやがるからな…」

「ああ…それでさっき…」

「絶対に逃がさねえ…」

「……」

「あ、オマエは付いてくんなよ」

「ん?付き添うが?」

「くんな!」

「マサル一人で龍の巣に突っ込ませるわけにはいかないからな」

「ウルセーくんな!」

「はっはっは!」

「んじゃ日曜日オレさまもオマエんち突撃してやる!」

「は?」

「あ?やんのか?」

「オレとマサルの愛の巣に入れると思うか?」

「ぶっは!なんだそれ!そんな巣ばらばらにしてやんよ」

「キバナァ!」

「ンだこのダンデェ!」

「…仲良いですねー」

「ははは!喧嘩するほど…だね!」




キバナとダンデのベストダブルス感。何度もバトルを試合と打ち間違いました。





|
×