お題&Other | ナノ



写真部の暗室で 02





「な、なんかよくわかんないけど・・・すごい・・・わくわくする・・・!!」


「す、すごいな、はじめてみたわ・・・」


私たちは放課後すぐに写真部の暗室へと行き琴美が作業をするのをじっくりと見ていた。


「これ何度もやるけどそのたびに本当に私もわくわくするの。
たのしいのよね、これが。」


琴美もなんだか少しうれしそうで。

私たちは写真が現像されていく工程をしっかりと目に焼き付けておいた。


「ねぇ、見ててどうだった?」


「すごかった!私には難しそうだったけどなんかすごいってしか言いようが無くて。」


「勝呂君は?」


「ああ、ええもんみしてもろたわ。」


「写真は明日乾いたら見せたげる。もう一回暗室の中見ておく?」


「い、いいの!?」


「いつもお世話になってるからね!特別オッケー!!」


「やった!!」



暗室へ戻って琴美にわかりやすく教えてもらった。

現像液とかいろいろなんだか覚え切れなかったけどとにかくすごいと思った。


「あ、じゃあちょっと外出るから何も触らずに少し中見ておいていいよ。」


琴美がそういってくれたのでいろいろと見てみる。


「ほんとすごいよね〜・・・」


「そうやな。」


はじめてみたなぁと琴美がなかなか帰ってこないと思いながら感心していると。


「なまえ。」


妙に色っぽい声で竜士に呼ばれる。


「どうしたの、竜士。」


私が竜士を振り返ると竜士がぎゅっと私の体を引いて私を抱きしめた。


「竜・・・士?」


私は竜士を見上げる。

すると竜士はするりと私の頭を一撫でして、

顔をよせ、ちゅ、と私に触れるだけのキスをしてくれた。

暗室、という暗い場所がなんだかとても私をドキドキとさせる。


「・・・なんか、ちょっとドキドキする。」


「はは・・・俺もや。」


笑いあってまた、キス。

私たちは琴美の足音が聞こえるまでキスをしあった。







隠し撮り、されてたことを知ったのは翌日。



(え、な、ななななにこれ!?)


(これどうよ、上手でしょ?このシルエットだけがくっきり取れてて顔は見えないし)


(っ、そういう問題じゃない!!)








×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -