02
レイラの言うとおり、ラビは"物知りな爺さん"にたった今驚かされている。
ドンガラガッシャーン!!
ラビは、"物知りな爺さん"ことレイラの祖父であるブックマンに蹴り飛ばされたのだ。
時はさかのぼることほんの数分前。
村へとついたレイラはすぐさま祖父であるブックマンのところへと直行した。
家に行く途中、村人に声をかけられながら進んでいく。
「家追い出されるようにして旅でたから勝手に帰ってきたら怒られるかな。」
そうふざけて笑いながら心配するレイラは心配しているのかどうかわからない。
とにかく家についたレイラはなぜか深呼吸をしてからドアノブに触れ・・・
そして勢いよくドアを開くとそのまましゃがんだ!!
神田はこの状況を察しドアの直線状に入らないようしれっとよけている。
ラビだけがどういう状況なのかわかっていないようだ。
しかしラビはそんな自分にすら気づいていない。
周りを見る前にレイラの奇行に不思議そうに近寄った。
と。
ラ「な、どうし・・・ぐへぇ!!」
ラビが声をかけたと同時にラビはけられてふっ飛ばされた。
ドアを開けてからラビが吹っ飛ぶまでの時間2,5秒。
そして冒頭の派手な物音に戻る。
ラ「い、いきなりなんなんさ・・・・」
けられた箇所を押さえながら立ち上がるラビ。
少々痛そうなその姿にレイラと神田は二人してラビに同情の目を向けた。
ブ「・・・中々骨のあるようだな。」
そんなときポーズを決めながら突如姿をあらわしたブックマンに三人の視線が向く。
「あ、おじいちゃんただいま。元気してた?」
レイラは祖父に向かいさらっと挨拶の言葉を述べた。
感動も何もなくちょっと出かけてきた風な物言いにブックマンが怒る。(当たり前だ。)
ブ「『元気にしてた』だと?レイラ。」
底冷えするようにじろりと睨むブックマンにレイラは心の中で悲鳴をあげた。
ブ「何の音沙汰もなしにいきなり帰りおって、何も収穫はなさそうに見えるがどうしてここにきおった!」
おなかにけりを入れるブックマン。
「いったいな〜もう。おなかけるのやめてよ。」
レイラは少し痛そうにおなかをさすった。
神・ラ「(あの強そうな蹴りをものともしてない・・・)」
目を見開き心の中で驚く二人。
レイラはこれが日常でまかり通っていることなのかさして気にせず話を続けた。
「収穫ならあったよ、今魔界へ行くために探し物しようと思ってるんだから。
でもどこにあるかとかぜんっぜんわかんないからおじいちゃんのところにきたんだよ。」
ブ「それはフルートのことなのだろう。」
「うんうん、そうそう、あの物語の本にどこにあるとかそういうの書いてないわけ?」
ブックマンは、ふぅ、と息をつくとこういった。
ブ「かいてある。なんども何度も読み返したものだからな。
フルートは大陸に散らばり屈強な魔物が守っておる。
この大陸のフルートのありかは、この村の地下なのだ!」
「え、そうなの!」
ラ「うわ、マジか!」
神「・・・!!!」
ブックマンの言葉に三人はそれぞれ驚いた。
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