甘く溶ける
しっかりと熟れた実は、まさに食べごろ、というべきか。
「や、やぁっ、りばいさん…っ」
「嫌?どこがだ。」
どこが、と問うたものの一向に返事は帰ってこず、代わりに返事をするのはなまえの体だ。親指で秘豆をこするごとにびくりびくりと跳ねる体はなんとも正直だった。
初めては誰だって痛いというからこれ以上ないほどやさしくしているというのに、なまえは何が嫌なのか。本当は分かっているのだが、俺は分からないという風になまえに聞く。
「やだ、ぁ、もうそこ、さわらないでぇ…」
首を一生懸命に振るなまえ。しっとりと湿り気を帯びてきた彼女の肌に手を滑らせて、俺は胸の飾りも同時に責める。なまえはそこが感じやすいという様子ではなかったので、これから開発していくつもりだ。聞いた話によれば秘豆をこすりながらそこを弄れば、体がそこも気持ちい場所だと覚えていくらしい。なまえを気持ちよくさせるために調べに調べ尽くした賜物だ。本当は今すぐにでも自身をなまえに埋め込んでしまいたいぐらいだが、なまえに負担をかけるわけにもいかないので、こうやって入念に彼女の中を解している。こんな風に今まで女を抱いたことなど一度もない。相手を気持ちよくさせたいと思ったこともない。俺がここまでするのはなまえだけだ。
「リヴァイさんっ、リヴァイっ、さ、」
だんだんと動かす指の速さを速めると、彼女は俺にしがみつき、俺の名前をうわごとのように連呼した。だんだんと上ずっていく声に、俺はなまえの絶頂が近いことを知る。
「一回イッとけ。」
なまえの耳元でささやき、秘豆を強めにこする。先ほどまで声を上げていたなまえが声を失い、喉奥で細く速い息を吐き出す音だけが聞こえてきた。彼女の中に入れていた指がきゅっと締め付けられて、弛緩する。俺は構わず中に入れた二本の指を動かし続ける。
「今、だめだからぁ…!!」
イッたばかりの体を責めるのは、それほどダメなことなのか。と俺はなまえに問いたくなった。気持ちよさそうに、やだ、だめ、と喘いでいるのだから、イイ、ことじゃないか。
「あぁっ!」
秘豆をぐり、とひときわ強くおした。秘豆はやはり女の一番敏感なところだから、彼女に気持ちよくなってもらうにはやはりここが一番いいようだ。一つ一つの刺激がどうしても強いので、反射のように体が反応しているのが、見ていてそそられる。俺の手一つで気持ちよくなっていく彼女をもっといじめたくなる。
「も、お願、ぁっ、」
もう、強い快感から逃れたくて仕方がないのだろう、俺を求めるなまえの声が切なげで、色っぽい。ああ、これ以上の女、きっとこの世のどこにもいない。声も、肌も、唇も、完全に俺の好み通りというわけではないのに、どうしようもなく美しく儚く、そして艶やかな女、俺はほかに知らない。これで初めてだというのだから、末恐ろしい限りだ。
「いいだろう、」
俺が一度なまえの体を弄るのをやめたからか、彼女がほっと息をついていた。俺はその間に自身を取り出し、彼女の蜜口へとあてた。びくりと、快感によるものではなく体を震わす彼女に、俺はにやりと笑む。
「っ…」
挿れるぞ、とつぶやき彼女が頷くのを待ってからゆっくりと彼女の中に押し入った。解したといえど彼女の中はきつく俺を締め付ける。入れている最中になまえの気をそらすために口付ける。苦しそうではあるものの、なまえは最初は痛そうではなかった。入れていくごとに辛そうな表情をしてきたので、きっと痛いのだろう。全て入り終えると俺はそのことをきちんと伝えた。なまえがなれるまで動かないつもりである。場合によっては動かず抜いてしまうかもしれない。
「大丈夫か。」
と、問うと、なまえはふるふると首を振った。
「痛いけど、でも動かなかったら、大丈夫です。」
少し乱れた呼吸でなまえはいった。
「リヴァイさん、抱きしめて。」
先ほどまでダメだダメだと言っていたなまえからの要求が素直に嬉しく、愛しさを運んでくる。俺はなまえのお願いに喜んで応える。しっとりとした彼女の素肌は吸い付いてくるようだ。
「リヴァイさん、大好き。」
耳元で囁くなまえ。
「あっ、」
自身が少しばかり大きくなるのは致し方ない。
「おれは、愛してる。」
なまえに負けぬよう、俺も彼女よりも倍の意味を込めて囁けば、彼女の中がきゅうっとしまる。
「くっ、」
思わず声が漏れる。俺の声が漏れたことになまえが嬉しそうに笑む。しかしすぐに不安そうな顔になった。
「気持ちい、ですか。」
「ああ、十分な。」
「うそ。」
身体的な気持ちよさよりも精神的な満足感が大きく、それを一言にまとめて正直に答えたが、なまえは信じていないようだ。俺は「本当だ」と念を押す。しかしなまえは納得しない。
「だって、普通は動くのに。」
そのことを気にしていたらしい。
「これだけでも十分だ。もちろん動けば最高だがな。」
言葉を補って再度伝えると、なまえは何かを恥じらうように視線を逸らしたあと俺を見つめた。火照った顔と少し潤んだ瞳がなんとも言えずそそる。
「う、動いて、いいですよ…?」
入れてからそれほど時間は立っていないというのに俺のことを気遣って申し出たなまえが愛しい。なまえの髪をなで、額に口付け、それから潤む瞳に口付け、頬に口付け、耳を食み、最後に唇に吸いついた。
「動くぞ。」
こくりと頷くなまえの表情は心なしか期待しているように見える。
「なんだ、動いて欲しかったのか。」
と問うとなまえは目を見開いて顔をぶんぶんと振った。あまりにも必死に否定をするので分かりやすすぎて、おかしい。
「手加減しようと思っていたが、ちゃんと感じてるようなら問題ねえな。」
動き出す前になまえの秘豆をこすると中が収縮するとともに彼女が啼いた。
「なまえ、しっかり掴まってろ。」
なまえの手を俺の背中に回させ、俺は彼女の耳元で囁いた。
なまえは耳が弱いのか、囁いた時に中を少し締める。ここもいいのか、と発見を心の中に刻んで、俺は動き出した。
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