「…ケビン、今どこを走ってるの?」 「えーと……北…いや、南か?」 「……」 パトカーを運転しているケビンの後頭部には?マークが飛んでいる気がする。 それというのも、ホテル・アップルインを出発した後、大量のゾンビに行く手を塞がれ、トラックは事故に遭い炎上。 命からがら近くにあったパトカーに乗り込みその場を脱したものの、ことごとくゾンビに道を塞がれ回り道を余儀なくされた。 結果。 今街のどの辺りを走っているのか、運転手のケビンは勿論、シンディ達も皆目見当もつかなかった。 トラックを運転していた消防士も、事故の時に死んでしまったため道も聞けない。 「見覚えのない建物ばかりだな…目印でもあれば良いのだが」 窓から外を見てジョージが呟く。 その隣に座っているデビットは、もはや場所の特定を諦めたのか黙って腕組みをしている。 「よりにもよってこんな状況で迷子になるとは…こうなったら運に任せるしかねぇな」 ケビンはそう言って苦笑を浮かべた。 と、その時、 「うわっ!?」 突然パトカーの前に何かが飛び出し、ケビンは慌ててハンドルをきった。 ところが、 「ゾンビ!?」 曲がった先にはゾンビの群れがあった。 「クソッ!」 「きゃあっ」 「!!」 また反対へハンドルをきったが……それがマズかった。 「?」 「まさか…っ」 もともと一度事故に遭ったような跡があり、動くかどうかさせ危うかったパトカーだ。 ちょっとの衝撃で壊れる可能性も十分あった。 「嘘だろ?ブレーキが…っ!」 「きゃあああーっ!!!」 方向転換も出来ず、シンディ達を乗せたパトカーは、とある店へと突っ込んだ。 no 次へ |