「ついにこの時が来たのよ!すべての罪は洗い流され、その苦しみから解放される…この時が!!!」 歓喜の声を上げて祭壇に近付くダリアの腕を、鎖を引き千切ったジーナが掴んだ。 「ダメよ、離れて!!」 クレアが叫んだ次の瞬間、ダリアの体が炎に包まれた。 まるで体内の血液が燃えたように、全身を炎が包み込み、ダリアは断末魔の叫びと共に放り出されて、見る見るうちに骨と化し、灰となって消えた。 「血液を体内に送り込んで発火したのか…覚醒後すぐにこれだけの力を発揮するとは、実にすばらしい」 口元に笑みを浮かべながら冷静に分析するサングランスの男…アルバート・ウェスカーは、そう呟いて炎が届かない闇の中に姿を消した。 「待て!!」 ウェスカーを追おうとしたレオンの前を、発火した血液が立ち塞がる。 「っ…ジーナ…!」 祭壇の前に立つ彼女は、もはや人間でもゾンビでもなかった。 人としての姿を保ちながらも、その姿はどこか神々しく、そして恐ろしかった。 ジーナは倒れているスティーブには見向きもせずに、レオン達の方へ向かって来る。 「この…化け物!」 シビルがハンドガンの引き金を引くが、銃弾をその身に浴びたジーナは眉一つ動かす事なくこちらへと向かって来る。 「銃が…効かないの!?」 「シビル、危ない!」 「!」 驚愕の表情を浮かべるシビルを炎が襲った。 no Next [Bookmark][Back] |