11人目の犠牲者が出てしまったその翌日。 レオンとクレアは再び教会を訪れたが、やはり門前払いを受けて中に入ることはできなかった。 「困ったわね…確証もないのに無理やり中に入る訳にもいかないし」 「仕方ない…出直そう」 ため息混じりに言ってレオンが教会に背を向けたその時、その様子を停めたバイクの前で見ていた警官が二人に近付いた。 「最近この街で起きてる猟奇事件を調べてる妙な二人組というのは、あなた達ね」 「妙ではあるけど、怪しくはないわ」 クレアがそう言うと、警官は笑みを浮かべて掛けていたサングラスを外した。 「あたしはシビル・ベネット。隣のブラマ市の警官よ」 「ブラマ市?…この街の警官ではないのか」 「この街の連中はそこにある教会を恐れてロクな捜査をしないから、あたしが来たのよ」 そう言ってシビルはレオン達の背後にある教会を示した。 「もっと詳しい話が聞きたいなら、場所を変えましょう。…あたしもあなた達に聞きたい事があるし」 「……」 レオンとクレアは顔を見合わせ、それからシビルと共にホテルへ移動した。 クレアの部屋に集まり落ち着いたところで、まずレオンが自分達の名前とこの街に来た理由を説明した。 仕事柄、相手が警官であっても軽々しく身分を明かす訳にはいかないので、エージェントであることは黙っていたが。 「…その知人が今回の事件に関係しているかもしれないってこと?」 「まだ確証はないが…もしそうなら、自分の手で決着をつけたい。そう思って事件の事を調べていたんだ」 「……」 シビルはしばらく黙った後、ふうっと息を吐いて頷いた。 「いいわ。少し気になる所もあるけど、今はあなた達のことを信用するわ」 「ありがとう。でもシビル、この街の警官でもないあなたが、どうしてこの街で起きてる事件を調べに来たの?」 クレアの質問に、シビルは少し黙り込んでから訳を話した。 no Next [Bookmark][Back] |