映画館を出てモール2Fのエントランスへやって来たスティーブは、そこでレオン達から明日の朝、カルロスがヘリで迎えに来ることを聞いた。 フランクの仲間のヘリがやって来るのも明日の朝。 もうすぐこの地獄から脱出することができる。 しかし…死は間違いなくそこまで近付いている。 「俺達は一度生存者のいる銃砲店へ戻る」 「スティーブ、お前はどうするんだ?」 ケビンが尋ねると、スティーブはクレアに渡されたブラッドの銃を見つめた後、呟くように答えた。 「…俺も戻る」 「スティーブ、ジーナはお前と一緒なのか?」 ケビンがもう一度尋ねると、スティーブは顔を上げてレオンの方を見た。 「教えてくれ。彼女は無事なのか?」 「…それを聞いてどうする?」 スティーブに問われてレオンは口を閉ざした。 「あいつが…ジーナがあんたのことをどう思ってるのかは知らないが、俺はジーナを置き去りにしたあんたを許さない。何があってもな」 「……」 「あんたは知ってるはずだ。あいつがずっと怯えていたことも。それを隠して無理やり笑っていたことも。全部知ってたはずだ…!」 「…ああ。知っていた」 レオンは静かに頷く。 「ここに来てあんたも感じたはずだ。本当の恐怖ってやつを。…それが理解できないって言うなら、あんたもあの化け物教祖やカルト集団と同類だ」 スティーブはそう言うとブラッドの銃をしまい背を向けた。 そのときだった。 ヘリの音が聞こえてエントランスのガラスの天井が割れて、軍隊らしき男達がモール内に侵入した。 no 次へ |