吐溜 | ナノ


※ただしキャプテンは除く







しとしと、と霧雨のような雨が窓を濡らしていた。決まってこんな日は体調が悪くなる。けれどもこんなところでへこたれていては頑張っている弟に見せる顔がない。はあ、けれども、だけれども。




「憂鬱だなあ」




こうも雨が続くと、精神的に参ってしまう。部屋にいるのが嫌になってテレビのあるロビーに向かうと男の子がソファに座っていた。
見覚えがある。確か、雷門と戦ったチームのキャプテンだ。




「こんにちは」



思い切って話しかけてみる。彼はゆっくりと振り返り、緩やかに微笑んだ。



「こんにちは」



はきはきとした、けれど穏やかな声が鼓膜を震わす。整った顔だなあと思ったが、妙に頬のあたりが青白い。きっと怪我で入院しているのではないのだろう。




「…あ、すごく、どこかで見たことがある」



橙色の髪の彼が僕を見て呟く。睫毛がとても印象的だ。でも誰だろうか?



「あ、この間戦ったチームのフォワードの子と似てるんだ!」

「それってさ、剣城京介、って名前だったりしない?」

「多分そう!…けど、あ、もしかしてお兄さん?」

「うん、当たり」

「すごく似てるね!そっくりだ」



屈託のない笑顔が可愛らしい。









何が書きたかったんだっけ。思い出せない
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