嗚咽を漏らして泣いた夜(短編) | ナノ
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美貴side

…っ、どうしよう、真知、真知っ。私、真知を落としちゃった。
憎んだ、妬んだ、羨んだ……真知は、悠斗君を取っちゃうって。私から、全部奪っていっちゃうって。

なんで、なんで、私―――。

ユルサレナイコトヲ、シテシマイマシタ。

親友を殺そうとするなんて、

私は叫ぶ、「真知っ」と。手を伸ばす真知は、助けてほしいのかな?きっと、そう。

だけど、真知は―――、手を振った。ひらひらと、自嘲しながら。

なんで、どうして。
この言葉しか、私は話せないくらいに馬鹿になったのかなぁ…っ?もう、頭の中がぐちゃぐちゃで。頬を熱い涙が伝って止まらない。ぼたぼた落ちる。

真知は落ちる、どんどん落ちる。

真知、逝かないで、死なないで。真知に私毎日謝るよ、ごめんなさいって土下座する。

真知が何かを言った。けど、聞こえない。

「真知……っ、まっ―――」

ふわり、花のにおいが香った。優しくて暖かい。

「美貴、落ち付いて」

上を見上げれば、悠斗君がいた―――――。


美貴Side END



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