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腐男子静雄


「臨也…テメェ、門田とデキてんのか?」
「は?俺と付き合ってるのはシズちゃんだろ?」
「いやでも…やっぱり門臨も捨てがたい…トム臨でもいいな…」
「ごめん、日本語喋って?」

ぶつぶつと独り言を言うシズちゃんに、俺は溜め息をついた。

付き合ってから知ったけど、シズちゃんは所謂腐男子ってやつ。
新羅に影響されて高校の時に腐男子になったシズちゃんは、ドタチンと俺がデキてるって本気で思ってたらしい。
それから心変わりしたのか、俺に告白してきたシズちゃんは「シズイザをこの手に!」と言ってきた。
それはどこの国の言葉ですか、とかそれは告白なんですか、とか思ったけど両想いだったんだって喜びで、俺はオーケーを出した。
それから高校を卒業して同棲するようになったんだけど…シズちゃんの腐男子っぷりが増した気がするんだよねえ…。

「はっ!四木臨だ!四木臨だぞ臨也!」
「…四木さんを君の妄想に巻き込まないで?殺されるよ?」
「何言ってんだ。四木さんは俺と同じ腐男子だぞ」
「何言ってんの!?」

なんと言う事だ…あのまともな四木さんまで腐に感染されてるとは…。
てか、シズちゃんはいつ四木さんと知り合ったんだよ。


「取り敢えず、生で四木臨が見てえ!四木さん呼ぼうぜ!」
「四木さんは仕事中だから駄目だy」
「すぐに来るらしい」
「四木さん!?」

今日もシズちゃんの妄想に振り回されるのか…。

はあ……。



end.



  
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