03 ![]() シズちゃんが知らない女とラブホに入って行くのを見た、と言う情報が入ってきた。 別に今更驚きはしないけど、やっぱり悲しい。 それに、そんな情報をいちいちチャットで言うのを止めてほしい。 とは言っても池袋は広いようで狭いから、誰に目撃されてもオカシくはないんだけどね。 自傷気味に笑いながらそんな事を思う。 俺は暗い部屋に光るTVを見ながらお茶を啜った。 シズちゃんはきっと今日も帰って来ないんだろうな。 午前零時を指した頃、目伏せながら心の中で呟いた。 ベッドへ寝ころぶと、ギシリ、と音がする。 シズちゃん家のベッドは、硬いしギシギシいうし古いけど、俺にとっては想いがいっぱい詰まったベッドだと思っている。 ――もう二度と、このベッドで想いをぶつける事が出来ないとしても。 ――大切なシズちゃんとの想いが詰まったベッドは、俺の宝物なんだよ。 |