02 ![]() 1月28日。夜の7時半。 今日はシズちゃんの誕生日だ。 そして俺は誰もいない部屋で、シズちゃんを待っている。 俺はシズちゃんの大好きなプリンと、些細な誕生日プレゼントを持ってシズちゃんのアパートに来たんだ。 でも、何度インターホンを鳴らしても、シズちゃんは出てこなかった。 だから俺は仕方なく、シズちゃんから貰った合い鍵を使って中に入り、シズちゃんの帰りを待つ事にした。 待ち続ける事3時間。未だにシズちゃんは帰ってこない。 メールもしてたけど、返信すら返って来ない。 俺は机に突っ伏しながら、ある約束を思い出していた。 『ねえシズちゃん!付き合うにあたって、約束事を決めておこうよ!』 『約束事?なんだよ、ソレ。』 『まずは…毎年、どちらかの誕生日の日は、用事がない限り1日中一緒に居る事!』 『ぷっ…ははっ!そんなの当たり前だろ?1日中離れてやんねえよ。』 『言ったね?約束だからね!』 『あぁ、約束だ。』 あの時に交わした約束は、破られてしまったね。 シズちゃん。君が約束を破るとは思わなかったよ。 俺は、まだ、シズちゃんとの約束、一つも破ってなんかないよ…。 (君と俺の間には、隙間がある。) (この隙間が埋まることは、) (絶対に無いでしょう。) |