01 ![]() ねぇ新羅…?俺は充分待ったよね? だから、もう、*んでもいいよね―― シズちゃんが知らない女性とラブホに入っていくのを見たのは、今月で4回目だ。 いや、もしかしたら俺が知らないだけでもっと行ってるのかもしれない。 どっちにしても、浮気には変わりない。 シズちゃんがこうして知らない女性とヤるようになったのは、2ヶ月前からだ。 理由は分からない。まだ付き合い始めて一年しか経っていないと言うのに。 最初この話を運び屋から聞いた時は驚いた。いや、それよりも安心した。 前々からオカシイとは思ってたんだ。 仕事は休みなのに、朝早くから出掛けて夜まで帰って来ない。 そうゆう時は大抵、シズちゃんの香水の香りではない匂いをさせて帰ってくる。 それでもシズちゃんは何も言わない。 ただ微笑んでいつも通りに優しくしてくれる。 俺はそのシズちゃんの態度が気に食わない。きっと罪悪感からくるものだろう? だから余計俺が惨めになるんだ。 でも…、俺がシズちゃんに別れを言い出せないのは、俺がまだシズちゃんを好きだから。 愛しているから。だから言えない。心の内側にずっと秘めている想い。 ――別れたい。 この一言を言ってしまえば、俺たちの関係は終わる。 …、強制的に終わらせる事が出来る。 でも恐いんだ。だって、この言葉を言えば、俺は君と関われなくなってしまう。 それが恐い。どうしようもなくね。 だから、俺は今日も言えない。 (枯れ果てるほどの涙を流した俺は、) (もう一度だけシズちゃんが) (俺に振り向いてくれる事を願う。) |