長編 | ナノ

02


よく晴れた新宿の夏の昼間。
臨也はいつもの真っ黒な服に身を包み、額に汗を浮かべながら携帯を見ていた。

と、不意に馬の嘶きが耳に落ちてきた。

『臨也。今日も仕事か?』

予想通り、馬の嘶きと共にやって来たのはデュラハンのセルティだった。
此方もまた、いつもの真っ黒なライダースーツに黄色いヘルメットを身に纏っている。
暑くないのかと訊いたら、少しだけ暑いと返ってきた。

「やあ運び屋。仕事はちょうど今終わったよ」

穏やかな笑みを浮かべながらそう答えると、セルティは『ご苦労様^^』とPDAに打ち込んだ。
暫く世間話に花を咲かせていると、どこからか嫌な声が聞こえてきた。

「イザちゃーん。あっそびましょー」
『げ…静雄……』
「静雄……君また新宿に来て…殺されても文句は無いよねえ!?」

臨也の血管が切れる音と共に、いきなり現れた人物―…平和島静雄にナイフを投げつける。
セルティはオロオロしながらも、臨也を止める事にした。

『いいいざや!!おちついてくれ!』
「止めないで運び屋!それより、早く帰った方がいいよ。ここは今から殺人現場になるんだから……」
『臨也!?』

瞳孔を開けてナイフを投げまくる臨也に、セルティはこのままではマズいと、静雄を止める事にした。

『静雄!お前は毎回臨也に迷惑を掛けるな!!』
「えー?セルティよお…イザちゃんは苛められる為に存在してるようなモンなんだぜ?w」
「静雄殺す!!!」

止めるどころか更にヒートアップしていく二人の喧嘩と言うなの殺し合いに、セルティは新羅を呼ぶ事にした。

数分後、風のように飛んできた新羅がセルティの頼みを断るはずもなく、喧嘩中の二人の間に入って刺されるは、別の話。


「痛い!どうして刺すのさ臨也!」
「むしゃくしゃしてやった。誰でもよかった」
「何の現行犯!?」
「新羅よお、邪魔すんなよ。折角イザちゃんを屈辱に歪ませる事が出来たのにw」
『静雄。臨也を傷付けたら許さないからな』
「おー怖ぇw」
「運び屋…トゥンク…」
『臨也……』
「なにコレ浮気?浮気とみなしてもいいんだよね!?」


End.
友達なセル臨、好きです。


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