01 ![]() 「波江さん。今日は帰ってもいいよ」 「あらそう。なら帰らせて貰うわ。明日も今日と同じ時間に来るから」 「うん、よろしく」 ひらひらと手を振って、有能な秘書を玄関まで見送る。 送ろうかと訊いたのだが、辛辣な言葉と共に断られてしまった。 相変わらず弟以外は眼中にないらしい。 折角の美人が台無しだな、と今更な事を考えて内心苦笑いする。 少し休む暇も無く仕事が入ってくる。 仕事内容を確認して、ファーコートを羽織る。 残念な事に、今日の取り引き場所は新宿ではなく池袋。 あの苛つく馬鹿に会わないように、細心の注意を払いながらタクシーに乗り込んだ。 「おっ!イザちゃんじゃねえの。今日は仕事か?」 「うわ…なんで今日に限って池袋に居るかなあ……」 「だって俺の本拠地だもんww」 「相変わらずウザイね、静雄」 「ほめ言葉だなw で、今日は何して遊ぶか?」 鈍い音を立てて、金髪のバーテン服男が標識を引っこ抜く。 だが生憎、俺は殺し合いに来た訳ではない。仕事で来たのだ。 仕事じゃなかったら、コイツの本拠地になんて来たくもない。 どうやって切り抜けようか考えていると、横断歩道の向こうからアイツの上司がやって来た。 「静雄ー、もう行くべー」 「トムさん!俺まだ邪魔してませんよ!w」 「君の存在自体が邪魔だよ」 「イザちゃん死ね」 「静雄が死ね」 笑顔で言ってくる静雄に、血管が何本か逝った気がするが気にしない。 静雄は標識をそこら辺に放置して、田中トムと夜の街に消えていった。 舌打ちをしながら、仕方無く標識を頑張って元の場所に戻して、俺も取り引き場所へと向かった。 *** 違和感ありまくり…。 でも管理人は凄く楽しいです(笑) |