「捲簾、ちょっと……、いいですか?」
「何か妙に言いずらそうにしてんけど、何かあったワケ?」
「実は……、僕自身、ある悩みを抱えていまして……」
「……」
「近い近い近い、顔が近いです。
デコをくっつけて熱を測ろうとするのヤメて下さい」
「てっきりとうとう天界にも、下界で流行ってる新型ウィルスが放散されたのかと……」
「なんですかそれ、僕はいたって健康体です。
あと、流れに便乗して変なトコロ、触るの止めてください」
「ちっ、お触りサービスぐらい良いじゃねぇかよ。
−−だって、お前に悩みがあるなんて、そうとうヤバェんじゃねぇの?
天界中の桜が全部散っちゃうんじゃねぇのか?」
「僕が悩みを持つ事が原作の結末と同格なほど、壮大かつ衝撃的って言いたいですか。
何気に失礼じゃありません?
僕にも原作にも」
「だってよーく考えてみろ。あの天蓬元帥が悩みがあるって言ったんだぞ?
もう一度言うぞ。
あの天・蓬・元・帥だぞ?」
「……そう言われると、本当に僕自身に悩みがあったのか、自信が無くなってきましたねぇ」
「いや、冗談だよ冗談。
自信無くすなよ、自分の事だろうが。
とりあえず、勿体振らずに何悩んでるのか早く言えって」
「第一小隊もとうとう14人じゃないですか」
「まぁ、俺ら含めてたら16人だな」
「そうなんです。
−−16人。僕を除けば15人。随分大所帯になった第一小隊。
貴方といい、部下達といい、皆個性が溢れる人達ばかりですからね。
たまに無個性な僕なんか、霞むんじゃないかって心配なんですよホントに」
「……それだけは絶ッッ対ねぇから安心しろ」
「はたしてそうでしょうか?
僕を除けば皆が体育会系で、個性豊かでくせ者揃い。
元帥と眼鏡とヲタクぐらいしかステータスがない僕なんて、いつか霞むんじゃないかと心配で心配で……。
その内、皆の濃すぎるキャラに埋もれて僕の存在なんて忘れられそうで心配で、夜も10時間しか寝れてないんです……」
「そうか、それは大変だ、な、って寝過ぎだろソレ!?
テメェは本気で悩む気あんのか!?
てか、寧ろお前の方が個性キツすぎて、俺らが霞むんじゃねぇかって心配するわマジで」
「微妙に僕の事、フォローする気がないでしょ貴方」
「気のせい、気のせい。
それにお前みたいなヨレヨレの白衣と、煙草ふかしながら便所下駄をカラカラ鳴らして放浪しながら、変なモノを収集して最短記録12時間で部屋を汚くさせる奴は、天界広しといえどお前しかいない。
安心して自分の個性信じろ。
安心感を持て。俺が保障してやるから」
「……やっぱり、フォローする気ないでしょ捲簾?」



−−−−−
もっと第一小隊ネタを書きたかったのに、色々とこれが限界のようです。ぐはっ(吐血)
拍手記載期間(13.06.01〜13.06.30)
戻る>>



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -