「悟浄、聞いて下さい」
「ナニ?あらたまっちゃって」
「僕、どうやら貴方のコトが好きになっちゃったみたいなんです」
「………………………………………………え?ナニ今更。てか、今まではなんだったのよオイ」
「正確にいえば、昨日の朝からなんですが」
「昨日からかよ、てかヒトの話聞けよ」
「なんだか昨日から悟浄を見てると食欲がなく、なんだか顔が熱くて、しかもそのせいで眠れないし、気を抜いたらぼーっとしてしまって、そういえば何故か腰とか関節も熱が篭ってなんだか痛み出してきました、コレが俗に言う恋ってヤツですね」
「…………………。八戒、デコ貸せデコ」
「え、…あ……。普通額と額合わせて熱計りますか?」
「いいじゃん、計れればそれで。−−−−風邪、だなこりゃ」
「あ、どおりで。良かったぁ、ただの風邪で」
「……その安心はただの風邪だからなのか、さっきの俺が好きっていうのが勘違いだったからか?」
「さて、そうと決まれば……。
−−−朝干した洗濯物を取り込んだ後、お風呂を洗って沸かし、食事の用意と後片付けが済み次第寝ま」
「今っ!今すぐに寝ろっ!
てかさっきからマジで会話になってねぇぞ俺ら!」
「でも、洗濯物が……」
「それぐらいやっとくから寝ろっ!」
「洗濯物だけじゃなく、お風呂掃除や食事の準備やその後片付けも全部ですよ?」
「……分かった。お前の言い分は分かったから。マジで寝ろ」
「悟浄はいつもハイハイやるからと言って、やってくれませんから不安で寝れません……」
「だーーーーっ!!悪かったって、ちゃんとやりますからどうか寝てクダサイ!」
「ならいいんですが」
「ほら、腰と関節痛いんだろ?ベッドまで運んでやるから」
「いいですよ、それぐらい自分で行けます」
「へいへい、頼りない足どりになってるヤツに説得力ねえから、勝手に運ぶからな」
「……悟浄」
「なんだよ?」
「スイマセン」
「なんで謝るのよ?」
「………」
「とにかく粥かなんか作ってくるから、ソレ食って薬てきとーに飲んで、寝れば風邪なんか直ぐに治るって」
「悟浄が、お粥を作るんですか……?」
「俺以外誰がいんのよ?」
「……僕、まだ生命保険かけてませんのに……」
「俺が一体どんなモン作ると思ってんだよお前は!?」
「出会って間もない頃に、冷蔵庫の中にある食料全部を一掃に入れたカレーを作った記憶は、今だに正確に覚えていますよ悟浄」
「悪かったって!粥なんて鍋に水と米いれて炊くだけだろ?楽勝じゃん」
「ならいいんですが……、あぁ、なんだか不安でやっぱり寝られません」
「……不安で寝られねぇ程、肝っ玉小さくねぇだろお前」
「……悟浄、何か言いました?」
「−−−と、とにかく、粥食ったら薬飲んで寝ろ、いいな?」
「はいはい、ではお言葉に甘えてそうします、それと……」
「今度はナニ?」
「多分、風邪だけが原因じゃないと思います」
「だからナニが?」
「昨日の症状が発症中に、やっぱり悟浄の事ばかり考えてぼーっとしたり、顔が熱くなりましたから」
「………へ?」
「じゃあ、焦げてないお粥、楽しみに待ってますね」
「………え、あ、あぁ、……おぅ」




−−−−−
乙女八戒の天然に振り回される乙女悟浄でした。

拍手記載期間(12.07.01〜12.07.31)

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