※キャラ崩壊、下ネタ、ちょい裏表現などを含みます。
※最早やりたい放題ですが、それでも文句は言わねぇぜ!という方のみ下へスクロールして下さい。





























「俺の前世サマのクセに、てめぇは何にも分かっちゃいねぇようだなぁ?」
「その言葉、そのままそっくり返してやるぜ、この河童野郎が」


今にもどちらかの手が出てしまいそうな張り付いた緊迫感が、悟浄と捲簾の両者の間に流れる。
二人の間の距離は段々と縮まり、両者の三白眼は睨みをきかせる。
そんなものものしい空気の中、先手必勝を仕掛けてきたのは悟浄の方だった。


「耳の穴かっぽじってよ〜く聞け!
俺の八戒はな、そんじょそこらの美人じゃないぐらい目茶苦茶美人だし、料理させればそこらの料理人は土下座をし、潔癖過ぎる清掃能力と、少しでも安い品を買うなら時間を惜しまず、遠出する主夫根性が染み付いてるオカン精神丸出しだがっ!
そこらのゴロツキなんか、武術と気功となんか黒い影がある笑顔でぶっ飛ばす、実はかなり腹黒派、致せり尽くせりを備わった正に、男の理想ともいえる俺の八戒が1番なんだよ!!」

「はっ、これだから20そこそこしか生きていない青臭い野郎の考えはテンプレート過ぎなんだよ。
いいか!? お前んトコの美人と違って俺の天蓬はなぁ、あの天下の観世音菩薩すらも知っている美人で、前線に立てば鬼のように強いが、それ以外はからっきしダメだ。書類処理の仕事はサボってしねぇし、私生活なんざ全くのダメ人間!
でも、そこが良いんだ! こいつは俺がいないと生きていけないと思わせる男の庇護欲を駆り立てようとする、正にキングオブギャップ。世の中、良妻賢母よりも、ちょっと手の掛かる方が可愛いげがあるってもんだ。てなわけで、俺の天蓬が1番に決定ー!!」

「寝言は寝てから言え、コノ年齢不詳野郎っ! てめぇんトコの美人は顔だけは認めてやる、八戒の次にな。でもせっかくの美人が目茶苦茶汚ねぇ部屋で、オマケにフケまみれの髪した不潔だと、萌えるモノも萌えれねぇよ!
てな訳で俺の八戒がNo.1っ、これ決定事項!!」

「バーカっ、なぁにが決定事項だ。ついに脳みそ沸いたかコラ。
てめぇのトコの美人さんも顔だけは天蓬の次に認めてやる。だけどなっ、虫も殺さないような綺麗なツラしたヤツが、敵ぶっ殺してるの見たら萌える前に萎えちまうわ!」

「それこそわかっちゃいねぇな! それこそがてめえが言ってたギャップって奴だろうが!」

「ギャップにも限度つーのがあんだよ! それにてめぇんトコはもう、ギャップの次元を越えすぎなんだよ!!」


お互いの服の胸倉を掴み、騒音妨害並に騒ぐ良い年した悟浄と捲簾は、互いに譲れない仁義なき戦いを繰り広げているが。
かなり『子供の口喧嘩』に類似した騒ぎでもある。
だが珍しく、武力行使に出ないのが不思議なぐらいだ。騒ぐだけなら、ある意味平和的な喧嘩かもしれない。

「楽しそうですねぇ、二人とも」
「ですねぇ、平和で良い事です」
「あ、お茶入りましたよ」
「あ、どうもありがとうございます」

そんな二人を少し離れた場所から、本当に人事のように優雅に過ごしている二人。
好きな本を読み耽る天蓬に、せっせとお茶を用意を出す八戒だ。
この八戒と天蓬の間には、あの騒いでいる二人とは反対に和やかな空気が流れ、非常に穏やかだ。
こうしている間に、向こうで騒がしくしている二人の間に入って、止める気は微塵に無い様だ。
『まぁ、その内、収まるでしょ』と、八戒と天蓬、二人して呑気にも思いつつ。
その二人の胸の内は、騒いでいる話の内容が、自分であることがどうやら満更でもないみたいだ。
しかし、他人事のようにのんびりしている八戒と天蓬でも。
騒ぎ出す二人の話題が、流石に無視出来ない流れになっていた。


「俺様の百戦錬磨のテクにかかれば、あの清楚でストイックな八戒でも、想像出来ねえ位にヤらしく腰振るんだぜ?! ま、ツラはでけぇが頭はカラッぽなてめぇの頭には想像も出来ねえだろうがな!」

「百戦錬磨ぁ? 随分笑えるギャグだな? てめぇが百戦錬磨なら俺は神がかったゴールデンフィンガーで、あの天蓬がこれでもかってぐらいにヨガって、最終的には自分で腰振ってくるんだよな。ま、テメェのちゃっちい腕前じゃあ俺の天蓬は満足できねぇな」

「それこそ大爆笑モノのギャグじゃねぇか。俺のテクにかかれば前戯とキスだけで、足腰立たせられないぐらいに出来るのに、最初から突っ込むなんて。
ヤル=突っ込むなんて、まるで動物的な考えで嫌だねぇ、ホント」

「その言葉そのままそっくり返してやるぜ。テメェみたいな自意識過剰な野郎ほど実は下手くそで、ただガンガン突っ込むしか脳がねぇんだよなあホント。
やだねぇ野蛮な野郎は、俺ならもっと紳士的に攻めるわ」

「はっ、俺様をなめんなよ。八戒は初めっから敏感だが、俺様のテクと精力を持って調教した結果、それ以上に敏感になってだな、特に耳が弱い八戒にカフスごと噛み付いてちょっと舐めるだけで、感じまくるほど、俺好みのヤらしい体にしてやったぜ」

「へぇ、お前さんトコの美人さんって耳弱いんだ。俺んトコは首やうなじだな。背後を狙ってそこに一発キスぶちかましたら、瞼ギュッとつぶって声抑えようとするんだぜ?」

「背後なのに、なんで相手の顔が見えんだよ?」

「んなもん鏡を置くに決まってるだろ? しかも等身大が映る長細いヤツ」

「おっ、ソレいいねぇ。後ろから攻めて、鏡で顔も身体も全部見えるじゃん。今度試してみよっかな」

「鏡の前でヤル時に相手にゴムつけろよ。鏡に飛んでこびりついたら中々落とせねぇから」

「ばぁか、こびりついたら好都合じゃねぇか。その鏡見せる度に、上手くいけば羞恥プレイが出来るし」

「あ、なるほどな。マジで今度天蓬にやってみるか。あいつすっげぇプライド高けぇから、そんなの見せつけられてヤったら、……やべぇなマジで」

「俺んトコの八戒も、ああ見えてプライド高いのよ、たまには俺が優位って事を思い知らせねぇとだな」


先程の口争いが一変し、いつの間にかニヤニヤと口角を上げて意気投合している悟浄と捲簾だが。
何やら卑猥な方向に話が進み出している様子に、八戒と天蓬はその場を同時に、非常に不気味な程、静かに歩み寄っていく。
そんな忍び寄る静かな悍ましい殺気に、いち早く悪寒として感づいたのは捲簾の方だった。

「話せばなかなか分かるヤツじゃねぇか。だけど、テメェにはまだ教えなきゃならねぇのが山程あるが……。まぁ、今日はこれぐらいで勘弁してやる。じゃっ!!」
「あ゙ぁ? なんだありゃ、−−っ!」

自分に降り懸かっている殺気にまだ気付かない悟浄には、捲簾がいきなりこの場から去ったのが理解出来ずにいると……。
ようやく、その訳に気付く。

八戒は手に気を溜めて、何時でも気功で攻撃体制に入っている事に。
同じく、天蓬もまた片手に愛刀を持ち、何時でも刃を向けられる体制に入っている事に。

「おしゃべりは災いの元ですよ、悟浄?」
「全くの同感ですね。今度あのバカ大将にも身を持って教えてあげませんとねぇ」

涼しげな声色と、清列な笑みを浮かべながらも、ジリジリ迫って悟浄から確実に逃げ道を奪っていく。
傍や悟浄はというと、両サイドに笑みを保ったまま、殺気に満ち溢れた八戒と天蓬によって囲まれ、窮地に立たされてしまう。

「ちょっと待て! 悪いのは俺だけじゃねぇだろうがっ!? なんで俺だけなんだよ!?」
「そんなの決まってるじゃないですか」

それでも必死に言い募る悟浄だが、残念ながら言い訳にしか捉えて貰えず。
八戒がゆっくり口にした後、八戒と天蓬はゆっくりとそれは凛と咲く華の様に、美麗な微笑みを悟浄に向ける。−−そして。

「「貴方がそういう役回りだからですよ」」

八戒と天蓬は息を揃えてそう言った後。
気功による騒音と、刀身が流れ肉が切れる物騒な音、−−そしてそれらの攻撃を一緒に喰らったであろう壮絶な悟浄の悲鳴。
ソレらを遠くから耳に入ってしまった、捲簾はというと……。
この後、天蓬による悍ましい報復が待ち構えている事とは知らずに、その場で悟浄に向けて合掌していたのだった。





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((コレだけはゼッテェーに譲らねぇっ!))








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