天使のたまご感想
2013/01/07 21:08

世界観の謎
世界観の鍵になってるのは観ていて分かるように少女
少女は街でガラスを集めて暮らしていて、服の中には卵を抱えている

ここからわかるのは、少女は『受胎ごっこ』をしている
恐らく少女は『成長を許されない』体で、妊娠ができない
あの世界は、進む事を許さない場所で、何も変わることがない
現に、卵に孵る予兆がない
常に水が溢れて枯れず、魚が現れても捕まることはない
人や動物は石になって動かない
決して進まない世界で、少女は卵を孵そうとするが、これは『受胎』を表す
しかし少女の体は進まず、『受胎』ができないため、ガラスに水を満たしたり、卵を孵そうとする行為で『受胎ごっこ』をする
『世界』は『少女である誰か』の『妄想』で、『進む事を許さない』、『方舟』の中である

破壊者か救世主
もう一つ大事な要素である少年
赤い空と廃れた大地で、海へと沈む太陽を眺めているが、ここで彼は『方舟』の人間ではないとわかる
赤い戦車に乗って『方舟』の『世界』に現れる彼は、『進む事を許さない』場所にとって、破壊者とも、救世主ともとれる
孤独に生きる少女と出会い、少女を追い続ける
ロリコンではない
『進む事を許さない』場所で、『世界の主』である少女にとっては、少年の存在は異質のものであり、未知の存在である
少年が少女の卵に興味があると気付き、少女は少年から逃げ出してしまう
しかし『卵になにもしない』という質問に笑顔で応える彼を信用してしまう
少年の目的はわからないが戦車に乗ってきたこと、十字架を模した銃器を持っていることから、少女の『妄想』の味方ではないことが明らかである
のちに少年は、鳥は希望であると述べる
少女は自分が抱えているのは鳥の卵であり、自分が温めて孵すのだと発言したが、少年の表情は曇ったまま
この世界では『進む事が許されない』ため、卵は孵ってはいけない
少女が眠りについた隙に少年は卵を十字架で破壊してしまう
卵の中身はカラであるという現実を少女に押し付け、その場を去る
少女は少年を追って丘を駆ける
目の前に少年が見えてきたその時、少女は溝に落ちてしまう
水面に移るのは女性で、これは少女の真の姿
少年が見つめる海からは太陽が昇り、少女の姿をした石を見届け、小さな『方舟の世界』を映して終わる
卵に固執して現実を忘れていた少女は、真の意味で救済された
残ったのは鳥の卵と、魚と、方舟と、太陽と、破壊者である救世主だけだった



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