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ただ――
大好きだったのに
お前のようになりたかったのに
ぼくは大きくなったのに
お前の力になれると思ったのに


エメザレ。ぼくは許さない。


叫び声と激しい憎しみが、すさまじい勢いで全ての思いを猛爆する。

イウはその絶望に任せてエメザレの胸に強く剣を突き刺した。

確かな手応え。刺したという感触。
しかし、彼は避けられたはずなのだ。ろくに剣も握ったことのない小さな少年の一突きなど。簡単にかわせたはずなのだ。
それなのに、エメザレは動かなかった。黙ってそれを受け入れた。それが義務であるかのように。
恐れのない真っ直ぐな姿勢で。しっかりと。

血が流れ出るエメザレの胸の中で、はっとしてイウはエメザレの顔を見上げた。
その顔に憎しみや苦しみは浮かんでいなかった。
ただ、微笑んでいた。
そして胸の中でイウを優しく抱きしめた。それだけで、彼は何も言わなかった。それからだんだんと、エメザレの体から力が抜けていき、体が傾くと一瞬にして、エメザレは固い地面へと落ちていった。


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