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「クウェージアは三十五日前に革命が起きて、エメザレ元帥の率いる臨時政府が発足されたんだ。知ってるだろう?だから―――」

「……革命?エメザレが元帥?何を言ってるんだ」

一瞬にして血の気が引いていく。指の先が冷たくなって鳥肌が立つのを感じた。

三十五日前?
革命?クウェージアがなくなった?
エメザレが元帥?何をばかなことを。
ばかなことを。

エメザレはいつまでも自分と暮らすことを待ち望んでいるはずだと、ずっと信じていたいのに。

「知らないのか?お前、今までどこにいたんだ?どこかに隠れていたのか?」

イウの動揺を心配してか、アスヴィットは優しく言った。

「白い髪はどこに……?殺されたの?」

彼は放心に近かったが、一種の願いのようなものを乗せてそう聞いた。

「スミジリアンに追放されたのさ。白い髪は王と王子以外は誰も殺されなかったし、黒い髪は誰も死ななかった。全て元帥様のお陰だよ」

アスヴィットはまた歯を見せて明るく笑った。そこにはエメザレに対しての感謝や尊敬の気持ちが大きく込められているのが見て取れる。

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